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女子高生達の裏事情  作者: 夢未 照代
第四章~崩れていく絆~
28/61

番外編~ある日の放課後~

滅多にない奏慧と芹亜のツーショットです(`・ω・´)

「かななん、芹ちゃん、バイバーイっ」

「バイバイ」

癒羽達が教室を出て行き、教室には奏慧と芹亜の二人だけとなった。

「……そういえば、ウチら二人だけで話すって、初めてじゃね?」

「確かに」

まだ慣れていない感じの二人。

奏慧は担任に『残っておけ』と言われたので、担任が来るまで帰れないらしい。

芹亜はいつも通り、他クラスの友達待ちだ。

「一度、セリチャンと話したいと思ってたんだよな」

「ほう。何の話でしょう?」

「セリチャンってー、ぶっちゃけ、ツクダッチのことどう思ってる?」

奏慧の問いに、芹亜は一瞬黙った。

「――変な子」

「変な子?」

「うん。あの髪型嫌い。なんかボサッとしてるでしょ?」

「あー、確かにね」

「それに気持ち悪い」

その言葉に、奏慧は大きく吹いた。

「へーっ!セリチャンってそういう子なんだ!」

「はい、そういう子です」

「ウチもさー、ツクダッチのこと嫌いなんだよ」

「まじで?」

「なんかさー、ホンマ、セリチャンの言う通りキモいじゃん?」

「うんうん。てかさ、最近、癒羽と楽音歌の二人、九十田ッチのこと無視してるっぽくない?」

「そうそう!ウチもそれ思ってた。あと、クルミもだぜ」

「いきなりだよね。何かあったのかな?」

「さあ?」

話題が無くなり、沈黙になる。

「つーか、センコー来ねーじゃん。呼び出しといて何なんだよ」

奏慧がブツブツと文句を言う。

「――じゃあさ。……ユウのことは?」

奏慧が窓の外を見ながら訊く。

「癒羽?」

「うん。どう思う?」

芹亜は少し俯いて黙った。

「――いい子じゃないかな。癒羽、積極的に話しかけてきてくれたし。結構嬉しかったんだ。このグループに入れたのも、癒羽のおかげだし」

「ふーん……」

「あと……、どんくさいところとか、可愛い」

「あ、それウチも同感」

「おお」

二人で笑う。

すっかり打ち解けた感じだ。

「でも、何で?」

「いや……」

奏慧は再び、窓の外に目をやる。

「……オレさ、ユウのこと好きなんだ」

「えっ?」

奏慧の発言に、芹亜が目を見開く。

「そ、それはつまり、レズ……ですか?」

「まあ、そんなとこかな。『好き』って感情、あんまわかんねーけど」

「ほ、ほう……」

「あーわりい。キモいよな。忘れてくれ」

「いやっ、違う違うっ。その、意外だなーって」

芹亜が手を振り、否定する。

「意外?」

「うん。とてもそういう風には見えない」

「ははっ。だろーな」

奏慧が苦笑する。

「多分、初めて会ったときから好きなんだと思う。ユウ、見た目も可愛いし。『仲良くなりたいな』って思ってたら、クルミを通じて仲良くなれたんだよ」

「そうなんだ」

「そんでー、ユウって、すげー優しいんだよ」

「ほうほう」

「こんなオレに、あんなに優しくしてくれるの……、ユウが初めてだったから」

そして、教室のドアが開き、芹亜の友達が入ってきた。

「芹亜ー。遅くなってごめんよー」

「おお。じゃあ、私帰るよ」

芹亜が奏慧に言う。

「おう。聞いてくれてありがとな」

「いやいや」

そう言って、芹亜は教室を出て行った。

教室には奏慧一人。

「フッ……、オレの心みたいだな」

そう呟いて、奏慧は窓の外を眺めた。

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