体育大会~終了~
午後の部も終わり、表彰式に入った。
私のクラスで表彰されたのは、800mに出場した中で、一番速く走った子だった。
そして、上位三位のクラスを発表していく。
私達のクラスが呼ばれることは無かった。
「やっぱ優勝は無理かー」
隣に居るかななんに話しかける。
「オレらのクラスなんて、むしろ最下位に近いんじゃねーの?」
「あはは、そうかもね」
閉会式が終わり、教室に戻る。
みんな疲れたのか、ぐったりとしていた。
「明日は筋肉痛だなー」
「しんどーい」
すると、私のクラスの級長、榎本さんが入ってきた。
「えっと、先生が、各自それぞれ下校していいってさ」
級長さんが、みんなに向かって言う。
「まじで?やった帰れるじゃんっ」
「みんな帰ろー」
「オッケー」
九十田ッチがのんびりと準備をしているのが見えた。
「九十田ッチ、早く早く」
「うん。わかったー」
鞄の中で何をしているのかと思って見てみると、九十田ッチはゲームをしていた。
「ちょ、九十田ッチ、それヤバいんじゃない?」
「どうしたの?」
楽音歌が覗き込む。
「九十田ッチ、ゲーム持ってきてるよ」
「えぇ!?大丈夫なの!?」
「うーん、大丈夫大丈夫ー」
相変わらずマイペースな九十田ッチ。
「ほら三人共、帰るぞー」
「あ、はーい」
高校初めての体育大会は、私にとって凄く充実したものになった。




