明日は本番!
いよいよ明日は、体育大会本番。
案の定、私と九十田ッチは一度も練習をしなかった。
「結局、練習しなかったねー」
九十田ッチが呑気な声で言う。
「まあ、いいじゃん。めんどくさいし」
「うん。あはははっ」
そう言って、九十田ッチは私の腕を組むポーズを真似する。
――最近、九十田ッチが私の言動を真似するように感じる。
私の発言を繰り返したり、今みたく、同じポーズをしたり……。
「芹ちゃん、大縄飛んでみてよー」
向こうで楽音歌達が楽しそうに話しているのが見えた。
「私が飛んだら……、誰が縄まわすの?私デカいよ?」
そう言って、芹ちゃんが苦笑する。
「なんなら、あたし達がまわそうか?」
同じクラスの子達が、そう言ってきた。
「本当?ありがとう」
「え、私一人で飛ぶの?」
芹ちゃんが無理矢理、楽音歌を入れようとする。が、楽音歌は体を張って拒否した。
「――かななん、飛んでみてよ」
思い切って声をかけてみる。
「オレ?いや、オレはいいよ」
「いいじゃんっ。かななんが飛ぶところ見たいーーっ」
私がそう言うと、かななんは「仕方ないな」と呟いて、縄の横に立った。
そして、芹ちゃんとかななんが一緒に飛んだ。
「おおっ、イケメン二人組っ!」
「二人共カッコイイー!」
「かなっしー!がんばれーっ」
みんながキャーキャー騒ぐ。
やっぱり、かななんは何をしてもカッコイイ。
しばらく飛んでいると、芹ちゃんが縄に引っかかった。
「おわっはー!」
「かなっしーお疲れーーっ」
鎮紅が芹ちゃんに抱きつく。
「疲れたー」
「かななんもお疲れ。カッコよかったよ」
「いやいや、んなことねーよ」
手を振って否定する。
そんなとこまでカッコ良く見えてしまう。
「明日はいよいよ本番だねー」
放課後、帰り支度をしていると鎮紅が呟いた。
「みんな、全力で頑張ろうなっ?」
「おうっ」
みんな力強い返事をした。かななん以外は。
「さて、みんな帰るか」
今日は胡桃は部活が休みだったらしく、久しぶりに一緒に帰った。
家に帰り、早めに寝て明日に備えた――。
次回、本題の体育大会に突入なのです(`・ω・´)




