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女子高生達の裏事情  作者: 夢未 照代
第三章~体育大会~
20/61

明日は本番!

いよいよ明日は、体育大会本番。

案の定、私と九十田ッチは一度も練習をしなかった。

「結局、練習しなかったねー」

九十田ッチが呑気な声で言う。

「まあ、いいじゃん。めんどくさいし」

「うん。あはははっ」

そう言って、九十田ッチは私の腕を組むポーズを真似する。

――最近、九十田ッチが私の言動を真似するように感じる。

私の発言を繰り返したり、今みたく、同じポーズをしたり……。

「芹ちゃん、大縄飛んでみてよー」

向こうで楽音歌達が楽しそうに話しているのが見えた。

「私が飛んだら……、誰が縄まわすの?私デカいよ?」

そう言って、芹ちゃんが苦笑する。

「なんなら、あたし達がまわそうか?」

同じクラスの子達が、そう言ってきた。

「本当?ありがとう」

「え、私一人で飛ぶの?」

芹ちゃんが無理矢理、楽音歌を入れようとする。が、楽音歌は体を張って拒否した。

「――かななん、飛んでみてよ」

思い切って声をかけてみる。

「オレ?いや、オレはいいよ」

「いいじゃんっ。かななんが飛ぶところ見たいーーっ」

私がそう言うと、かななんは「仕方ないな」と呟いて、縄の横に立った。

そして、芹ちゃんとかななんが一緒に飛んだ。

「おおっ、イケメン二人組っ!」

「二人共カッコイイー!」

「かなっしー!がんばれーっ」

みんながキャーキャー騒ぐ。

やっぱり、かななんは何をしてもカッコイイ。

しばらく飛んでいると、芹ちゃんが縄に引っかかった。

「おわっはー!」

「かなっしーお疲れーーっ」

鎮紅が芹ちゃんに抱きつく。

「疲れたー」

「かななんもお疲れ。カッコよかったよ」

「いやいや、んなことねーよ」

手を振って否定する。

そんなとこまでカッコ良く見えてしまう。


「明日はいよいよ本番だねー」

放課後、帰り支度をしていると鎮紅が呟いた。

「みんな、全力で頑張ろうなっ?」

「おうっ」

みんな力強い返事をした。かななん以外は。

「さて、みんな帰るか」

今日は胡桃は部活が休みだったらしく、久しぶりに一緒に帰った。


家に帰り、早めに寝て明日に備えた――。

次回、本題の体育大会に突入なのです(`・ω・´)

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