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女子高生達の裏事情  作者: 夢未 照代
第三章~体育大会~
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心強い助っ人

胡桃も少しは役に立つのですよ?(笑)

「それじゃあ、それぞれの種目に分かれて各自練習するように!」

先生の合図で、みんなそれぞれ分かれる。

私は、楽音歌のところに行って大縄をしていた。

「癒羽もちょっとは練習しなよー」

「だってめんどくせーんだもん」

今日も練習はサボり。このままいけば、本番まで練習しないだろう。

「癒羽っ、一緒に大縄しよう?」

如月さんが声をかけてきた。

「いいよ」

そして一緒に大縄をした。

結局、私が縄に引っかかってしまった。

「疲れたぁーっ」

「おつかれー」

運動神経のない私には、大縄は結構きつい。

「あのさ、田川のこと、何て呼べばいい?」

「え?」

「『田川』か『癒羽』か、どっちがいい?」

「じゃあ……、田川かな」

「了解」

如月さんは今まで私のことを『癒羽』と呼んだり『田川』と呼んだりしていた。

「私は、如月さんのこと何て呼べばいい?」

「何でもいいよ」

「じゃあ、鎮紅で」

最初は少し苦手だったが、実はすごくいい子なのかも知れない。

「シズク、リレーの練習始まるぞ」

かななんが鎮紅を呼びに来た。

「了解。じゃ、行ってきますっ」

鎮紅が手を振って行った。

それから私は、楽音歌達と駄弁っていた。


「胡桃って、口堅そうよな……」

「は?」

私が呟くと、胡桃は目を見開いた。

「どうした?急に」

「あのさ、相談に乗ってくれない?」

「いいけど……」

胡桃の腕を引っ張り、私達の教室の横にある空き教室に入った。

「えっと……、今から私が言うことについて、引かないって約束してくれますか?」

「お、おう」

軽く深呼吸して、話した。

「私……、かななんのこと好きなんだ」

私が言い終わる前に、胡桃が驚いて2、3歩下がった。

「えっ……、え!?えっと……」

「そこでお願い!胡桃に協力してほしいの!」

顔の前で手を合わせる。

胡桃はまだ混乱している様子だった。

「ちょ、ちょっと待って。少し整理させて」

「どうぞ」

すると胡桃は、腕を組んで少し考えていた。

「――あのさ、それって……、男を好きになるのと同じ感覚?」

「まあ、うん」

「その『好き』ってさ、気持ち悪いぐらい?」

「いや、そうではない」

「ふーん……。で、何で胡桃?」

「さっきも言ったけど、胡桃、口堅そうだし。それに、かななんと仲いいじゃん?」

「まあ、そうだけど……。胡桃、恋愛のこととか、何もわからないよ?」

「大丈夫」

「そうか。じゃあ……、胡桃は何をすればいい訳?」

「そうだな……。私、かななんと話すの緊張しちゃうから、そこをフォローしてくれたらいいかな」

「なるほど……」

時計を見ると、授業が始まるまであと一分だった。

「とりあえず、その話は後で」

「ありがとーっ」

胡桃に協力してもらえば、少しは心強くなる。

そんな気がした。

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