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女子高生達の裏事情  作者: 夢未 照代
第三章~体育大会~
17/61

グループ名

如月 鎮紅、登場っ☆

それから二日後――。

「今日からこのグループに入らせていただく、如月 鎮紅ですっ。よろしくっ」

と、如月さんがピースをする。

……どういうことだ?

「何でも、前のグループとケンカしたらしいぜ」

かななんが教えてくれた。

「そうなんだ……」

「あ、でさでさっ。このグループに名前つけないっ?」

如月さんの突然の提案に、みんな少し困惑気味だ。

「名前って……何かいい案でもあるの?」

「うーん、今のところ無いっ」

無いのかよ、と、思わずツッコミそうになる。

「てことで、田川、何か考えてよっ」

「えぇっ!?」

いきなりの指名に驚く。

「無理だよー。私、ネーミングセンス無いしー……」

「んもーっ。仕方ないなー。シズクが考えといてあげる」

強引というか何というか、変わった人だ。


一時間目終了後、如月さんがみんなを集めた。

「決まりましたっ。このグループの名前」

「おお、なになに?」

楽音歌が食いつく。

「『それゆけシズク隊』ってのはっ?どう?」

一瞬、沈黙になる。

それって、あの国民的アニメのパクリじゃ……。

「みんな何か反応してよーっ。シズク寂しいー」

「あたしはいいよー」

九十田ッチが真っ先に答える。

「本当?ありがとう、九十田ッチーっ」

如月さんが九十田ッチに抱きつく。

「みんなは?どう?」

如月さんの質問に、みんな「まあ、いいんじゃないかな」と、曖昧な返事をした。

「てかさー、『それゆけシズク隊』って、名前ださくない?」

「うるさいタヌキ」

胡桃の指摘に、即答する如月さん。

「タヌキ!?」

「シズクなっ、ずっと思ってたんだっ。『胡桃って、タヌキみたいだなー』って」

そう言って爆笑する如月さん。

「くるみ、タヌキじゃないもんーー!」

「お前はタヌキじゃ。これからタヌキって呼ぶからな」

如月さんが断定する。

すると、胡桃は黙ったまま教室を飛び出して行った。

「く、胡桃!?」

「あーあ、アイツかなりキレたな」

かななんが呑気に言う。

「あんなことでキレるの?」

如月さんが『ありえない』という顔をした。

「アイツ、精神年齢6歳だからよ。――って、ヤバくね?もう次の授業始まるぜ?」

そう言って、かななんは胡桃を探しに行った。

「全く、面倒臭い子だなー」

如月さんが溜め息をつく。

「まっ、シズクも精神年齢6歳だけどね」

同じ6歳同士……。これは大変なことになりそうだ。

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