カラオケ
カラオケって楽しいですよねー( ´▽`)
今日は四人でカラオケの日。
軽い足取りで集合場所に向かう。既にみんな来ていた。
「みんな久しぶりーっ!」
私がそう言うと、みんなは目を見開いて私を見た。
「ゆ、癒羽!?髪染めたの!?」
楽音歌がかなり驚いた顔で言った。
「うん。変?」
「それより大丈夫なの?学校とかにバレたら――」
「ああ大丈夫。このぐらいの色なら、一週間前に黒に染め直したらバレないってさ」
私の目標は、かななんを超えることだった。
「ユウ……、すげえな」
かななんが私を直視して言う。
「へへーんっ。まあ取り敢えず、カラオケ行こっ?」
その一言で、みんなカラオケへ向かった。
「誰から歌う?」
「ジャンケンしよジャンケン」
「最初はグー……」「ジャーンケーン……」
「ちょっと待って。『最初はグー』からじゃないの?」
「えー、もうどっちでもいいじゃーん」
ジャンケンで決まった順番は、芹ちゃん、楽音歌、かななん、私、の順番だった。
「最後だなんてツイてないなー」
「ドンマーイ」
かななんがクスクスと笑う。
芹ちゃんが早速曲を入れ、歌いだす。
その声は、かなり凄かった。
「芹ちゃん、すごっ……」
「ちょ、ヤバくね?」
「歌手になれるじゃん!」
芹ちゃんが歌い終わり、みんなで拍手をする。
「芹ちゃん凄かったよ!」
「歌手になれ!歌手に!」
「いや、そんな凄くないって――」
芹ちゃんが手を振り否定する。
次に、かななんが歌いだした。
「うわ、かっこいい声じゃん!」
「かななんカッコイイー!イケメン!」
みんなで騒ぐ。
かななんは「ハハッ」と苦笑するだけだった。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、帰る時間になっていた。
「あー楽しかったー」
「また来ようねっ」
「芹ちゃんの声、ヤバかったよねー」
「そんなに凄くないって」
カラオケの余韻をみんなで話す。胡桃と九十田ッチも居れば、もっと楽しかったんだろうな……。
「――私は、かななんの歌声が一番好きだなっ」
「こんなクソな声が?」
「全然クソじゃないよー。カッコイイ声だし、なんか、聴いてて凄く癒されるんだよ」
「そうかー?オレ、声掠れまくりだったぜ?」
「そんなことないよー」
そんな話をしていると、別れ道に来ていた。
「じゃあ、オレらこっちだから」
かななんと芹ちゃんが道を曲がる。
何だろう。まだ一緒に居たい。特に、かななんと――。
「うん。じゃあまたねっ」
そう言って手を振り、別れる。
「癒羽、帰ろ?」
「うんー。二人の姿を見送ろうよ」
「そうだね」
帰りたくなくて、楽音歌に言い訳をする。
最後に二人はこちらを振り向き、再び手を振ってくれた。
私達も手を振り、二人の姿が見えなくなったところで家に向かった。