プロローグ
なかなか長いお話になってます。飽きずに読んでいただけるとありがたいです☆
主人公と私の名前が同じなのには特に意味は無いです。
空は暗く、雨が降っている。泥だらけの地面はぐちゃぐちゃで、今にも滑って転んでしまいそうだ。
ここは深い山奥。崖がそこら中にある。そんな中を由紀は必死に走っていた。
止まれない。止まってはだめ。止まったら確実に殺される!!!
息を切らして走る由紀の後ろを黒い影が三つ追いかけていた。
「まて!!」
男たちは三人とも手に銃を握っている。それで由紀を殺すつもりだ。男たちも必死で由紀を追いかけている。
「あ、、、」
由紀は足を止めた。暗くてわかりにくいが、ここから先は崖になっていてもう進めない。落ちたらひとたまりも無い。
絶体絶命のピンチである。
「もう逃げられないよ」
三人のうちの一人が前へと出た。その男の右手にしっかりと握られているものの先は、由紀に向けられている。
由紀は意を決して男たちのほうに振り返った。由紀の手にもその男と同じ物が握られていた。
「へえ、情報だけじゃなく拳銃も盗んできたわけか」
由紀はその銃口を男の右目に向けた。
もうこれは一種のかけである。
激しい雨音がその場の四人を打ちつける。視界もあまりよくない。由紀にとっては不利だ。
二人の引き金がゆっくりとひかれる、、、
激しい銃声が辺りに響き渡った。
男の放った銃弾は、見事に由紀の左胸へと入っていった。
その勢いで由紀は後ろの崖に足を滑らせ、落ちた、、、
「やりましたね、拓馬さん。」
後ろで事を見守っていた男のうちの一人が言った。
「う、、、」
拓馬は右目を押さえ蹲った。
「拓馬さん?!」
二人は拓馬に近寄った。
「くっ、、、」
拓馬の右目からは真っ赤な液体が流れ出ていた。由紀の最後の努力の結晶とでも言おうか、その血は雨と混ざり、濃度の低い血となって拓馬の手と顔を染めた。
第二部も絶対読んでください☆