オトナへの階段
「旅行、ですか」
「そうだよ！みーちゃんもいっしょにくる？」
「はい、いきます。楽しみです」
ある日の放課後、私の親友のマッピーが旅行に誘ってくれました。
凄い嬉しいです。友達と遠くまで出かけるなんて生まれて初めてです。
涼宮ハ○ヒシリーズのキ○ン君×古○君のカップリングでハァハァする時ぐらいドキドキします。
やっぱりキ○ン君は受けで、古○君は攻めだと思うんですよ。ああ、ムラムラしてきました！
ちなみに私はきの○の山派です。もちろんき○この山は攻めでっ！
たけ○この里は受けですね！一見すると攻めのように見えますが、
先端がしゃぶられていくにつれ、次第に攻撃性が失われて守備に転ずるのです！
その点、き○この山は最後まで『棒』が残るので攻め続けることが出来るのです！
・・・・・・はっ！私としたことがつい我を見失ってしまいました！
話はかなり逸れましたが、それほど私の心が踊るのです！エロエロなんです！
そんな私に構わず、マッピーは話を続けます。
「あ、そうだ。他の子も旅行に来るけどいいかな？」
「えっ・・・・・・そうなんですか」
それを聞いた私はさっきとは一転、不安になってきました。
元々、私は人見知りであんまり人と話すのが上手でありません。
そんな私にいつも話しかけてくれるのはマッピーだけです。
マッピーのクラスメイトかな？それともまったく違う学校の人かな？
でももし、私がこの身を汚すことになったとしたら・・・・。
百合ならまだ許せます・・・・・・女の子同士ですから。
私だって、マッピーとハァハァする妄想ぐらい抱きますよ！どこにでもある常人の思考です！
でも・・・・・・男の人はまだ苦手だな。もし男の人とハァハァすることになったら・・・・・・。
い、いや、大丈夫！ マッピーの友達に限ってそんなことする人じゃないと思います！
そんな私を見ていたのか、マッピーが一言。
「・・・・・・みーちゃん、顔赤いけど大丈夫？」
「あへっ!? だだだだ大丈夫ですよ！」
私はすっかり動揺してしまいました。うう、こんな変なこと考えてるなんて
いくらマッピーでもいえないよぉ・・・・・・。私は深呼吸をして呼吸を整えます。
私が落ち着いたところで、マッピーは再び口を開きます。
「私しばらく家に帰れないみたいだから、私の家に行ってて！
他の二人も既にいってるだろうから」
「ど、どうしてですか」
「・・・・・・あれ」
マッピーが指差した先には、クラスの前で仁王立ちで憤慨している『しずか』さんの姿があります。
この状況で察することはただ一つです。
「また、『しずか』さん怒らせちゃったの？」
「う、うん。クラスの宿題を伝え忘れちゃったんだ。皆は宿題つぶれてラッキーっていってたけど
委員長はそれを許してくれなかったみたい」
「許すか馬鹿野郎！」
「痛ぁ!?」
いつの間にかここまで来ていた『しずか』・・・・・・夕さんは思いっきりマッピーの頭を殴ります。
「なにすんのさ！」
「お前のせいで授業の進行遅れてて皆に迷惑かけてるんだぞ！死んでお詫びをしろ！」
「しないよ！どこまで重罪なのさ！」
「罪は罪。どんな罪であれ平等でなくちゃな」
「平等にしていいものと悪いものがあるよ！」
「おう、それじゃあ死にたくなかったらついて来い。職員室で担任とアタシの三者面談だ」
「なんで委員長も入ってんの!? うぅ・・・・・・」
夕さんはマッピーの腕を引っ張って、教室を出ていきます。
マッピーはこちらを向いて、今すぐに助けて欲しそうな目をしています。
ごめんねマッピー、悪いことしたのはマッピーだから助けてあげられそうもないです。
「ああ、そうだ」
ふと夕さんが立ち止まり、私に向かって話しかけます。
「向井・・・だっけ？ こいつ馬鹿だけど、仲良くしてやってくれよ」
「あ、はい！」
私の言葉を聞いた夕さんは微笑み、泣きじゃくるマッピーを職員室へと連れていきました。
なんか夕さんカッコいいな・・・・・、私も夕さんのようにもっと積極的になりたいな！
そうだよ！旅行ぐらいでびびっちゃダメだよ！夕さんを見習わないと！
そんなことを思考しながら、マッピーの家へと赴くのでした。
「お待ちしておりました、未明さま。客人さまはこちらの部屋でお待ちです」
私は玄関には美形のメイドさんや執事さんが数人出迎えてくれており、
その中の一人である執事さんに連れられて来客用の部屋へ案内されました。
マッピーの屋敷の中には大きなシャンデリアや正面入口にそびえる二階への階段があります。
そして廊下には赤色のカーペットが引いてあって、いかにも大富豪の家と思わせるような屋敷です。
何度か遊びにきたことはありますが、まだまだ慣れることはありません。
この家を見ていると、やっぱりマッピーは環境に恵まれてていいなぁとすこし羨望します。
私は来客室の部屋の前まできました。執事さんは案内が終わったのと同時に仕事場にもどってしまいました。
うう、もうこの中に他の人がやってきてるんですよね。不安がぬぐいきれません。
だ、大丈夫です。私はこの旅行で夕さんのようにたくましく生きるんです！
立派な女として覚醒します！もうヘタレとは呼ばせません！
私は勢い良く扉を開け、そして・・・・・・
「ヒロ、とろけるくらい濃厚な接吻を・・・・・・」
「ぐ・・・・・・おま、やめっ・・・・・・！」
・・・・・・。
マッピーの友達は、ハァハァする人でした。
