第五章 使い魔と契約魔術
第五章 使い魔と契約魔術
第一節 使い魔の定義
使い魔とは、魔術師との間に魔法的な契約関係を成立させた存在の総称である。
使い魔は特定の生物種や存在形態を指すものではなく、魔術師との契約関係によって定義される。
現在、使い魔となり得ることが確認されている存在には、精霊、一般の動物および魔獣がある。それ以外の存在を使い魔とする可能性についても研究が行われているが、十分に解明されていない。
したがって、精霊と使い魔は同義ではない。
精霊は自然界に存在する独立した存在であり、契約を結んでいない精霊は使い魔ではない。一方、魔術師と使い魔契約を結んだ精霊は、精霊であると同時に使い魔でもある。
第二節 使い魔契約の成立
使い魔契約は、専用の契約術式を用い、魔術師と対象の双方が合意することによって成立する。
契約対象が人間の言語を話せない場合でも、双方の意思が適切に確認できれば契約を成立させることが可能である。
使い魔契約には、契約者と使い魔の間にさまざまな魔法的機能を設定することができる。
その代表例として、意思疎通、感覚の共有、位置の把握、遠隔からの指示、魔力の供給などが挙げられる。
これらの機能は、すべての契約に一律に備わるものではなく、使用する契約術式と当事者間の合意によって定められる。
第三節 使い魔の自律性と契約の解除
使い魔の自律性や契約者への服従義務は、契約術式によって一定の範囲で設定することができる。
しかし、使い魔契約は契約対象の意思を完全に消滅させるものではない。使い魔は契約内容によって行動を制約されることがあるが、状況によっては命令に抵抗したり、契約を解除したりする余地がある。
契約期間や解除条件についても、原則として契約成立時の合意に従う。
また、一人の魔術師が複数の使い魔を持つことは可能である。ただし、その数に一律の上限があるわけではなく、契約者自身の魔法能力や制御能力が実際上の制約となる。
使い魔契約は、魔術師と他の存在との間に継続的な魔法的関係を成立させる重要な技術であり、その研究は精霊術、契約魔術および魔法術式論と密接に関係している。




