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新しい家族

 アーア、轢かれちゃった。青信号だったのに。歩行者の命は、交通規則にではなく、自動車の運転手にかかっているのだ。



 

 若い女の乳を吸う。彼女と目が合う。すると彼女は私の頭を撫でる。そして私は涙を流した。昼だった。日が少し傾くと、お尻からうんちが出てきて、また泣いてしまった。


 眠気は強かった。揺り籠は私を包んでくれる。仕事場のデスクと違って。目が覚めて、することもなかったので、もう一度瞼を閉じる。


 寝覚めを若い女に笑顔で迎えられる。私は既に、口もとが緩んで笑ってしまっている。彼女に抱きかかえられ、食卓へ運ばれた。私の舌によると、私には歯がない。彼女は、よく煮込んだ根菜を一度咀嚼してから私の口へ入れる。鍋の熱よりも、彼女の唾液の方が温かい。私が口からこぼしてしまっても、彼女は私を責めない。むしろそれを歓迎するかのように笑う。


 部屋を一望する場所にいる。食後、部屋の天井に吊るされた。私が体勢を変えると、私は振り子のように揺れる。それを見て、若い女、若い男は微笑む。また、眠たくなってきた。


 目を覚ますと、揺りかごの中だった。同じ部屋の布団の上で、若い女と若い男がセックスをしている。私には前世、きょうだいがいなかった。初めてのきょうだいの誕生に対する期待が、男の興奮とともに膨らんでいく。彼は膣外へ射精したが。


 翌朝はシチューを食べた。食べ終えると、天井に吊るされた。私は揺れる、彼らは笑う。彼らはキスをする。男は「行ってくる。ファラーナク」と女に言った。そして、私の方を見つめて「べブルーズ、お父さん行ってくるね」と行って微笑んだ。


 ファラーナクは私を背負って川へ出かけた。手には洗濯物の入った籠を持っている。川岸に着くと、そこらには多くの婦人たちがいた。

 「彼、昨日も勃たなかったの」私たちのところへ、ファラーナクのように赤ん坊を背負った女がやってきて言った。

 「あら……」

 「もうすぐで1週間目になるのよ……」

 「それは気の毒ね…… うちの夫も昨日そうだったわ。気に病まないことよ……」


 二人の会話はその後、朝の風に吹き飛ばされた。川の温度を感じる。ファラーナクはしゃがんで洗濯を始めた。隣にはゴブリンの親子がいた。私は子どもの方と目が合う。そして、しばらく見つめ合った。ファラーナクは彼らを、人々がヘドロへ向けるような眼差しで見る。ゴブリンの子どもが私の方へ近づこうとする。彼の母は腕を掴んでそれを制止する。彼女は私たちの方を見ない。川面に映る彼女自身を見つめる。


 ファラーナクは家へ帰って庭に洗濯物を干した。そして、引き続き私を背負ってバザールへ向かった。肉屋の男は私のことがお気に入りみたいだ。「大きくなれよ」と言って肉を余分にくれる。ファラーナクは丁寧に頭を下げる。目を閉じてさえもいる。一方で、野菜屋の男はファラーナクのことを気に入っているらしい。彼女の食材で溢れた籠を肩代わりした。そして家まで運んだ。


 私は揺り籠へ移される。ファラーナクと野菜屋の男は食卓で話し合ってい。

 「ホルモズはどこへ行ったんだ」野菜屋の男が湯飲みを置いて言う。

 「今朝からドラゴンの討伐へ行っているわ」

 「ああ、火を吐くドラゴンか。一つ向こうの山だろうな」

 「ええそうね。しばらく帰らないみたいだから、久しぶりに私を抱いたわ、昨夜」

 「そうか」 

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