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第16話 貴族との交渉

 俺たちの所にダミアン王、エッケハルト、バルタザールがやって来る。ダミアン王がミリアに質問する。

 「悪魔ビアンカはどうなった。」「部屋の中で自爆して死にました。」

 「悪魔は死んだのだな。」「はい。」

ダミアン王が安堵の表情を見せる。ダミアン王はエッケハルトに言う。

 「悪魔ビアンカは死んだ。貴族と交渉できないか。」「娘たちの解放をすれば話し合いが出来ましょう。」

バルタザールが言う。

 「王自ら呼びかけてはくれませんか。」「私が貴族の集まっている所まで行くのか。」

 「はい。王の命は宮廷騎士団がお守りします。」「仕方ない。聖女様たちも来てくれないか。」

 「分かりました。ご助力をします。」

俺たちは、ダミアン王、エッケハルト、バルタザールと共に貴族たちが集まっている王都近郊の森へ向かう。道中、ダミアン王はウルズのことを気にしていた。

 「聖女ミリア、白髪の赤目の美しい方は誰だ。」「私たちの魔法の師匠ウルズ先生です。」

 「そうか、夫はいるのか。」「いません。」「そうか、あとで挨拶が必要だな。」

俺はダミアン王は全く懲りていないと思った。女好きは治らないらしい。

 貴族たちの集まっている所へ行くとバルタザールが名乗りを上げる。

 「私は宮廷騎士団長のバルタザール、リーム王国の国王ダミアン様をお連れした。貴君らに願う。王の言葉に耳を傾けてくれ。」

貴族たちは殺気だっている。こんなところに王様を出していいのか?

 「悪魔ビアンカは聖女たちの活躍により退治された。私は悪魔に捉われていたが、今は正気である。娘たちは解放する。話し合いの席に着いてくれ。」

 「王の言葉だけでは信用できない。聖女ミリアの言葉が欲しい。」

貴族たちの言葉にダミアンは傷つく。国の王が信用できないと言われたのだ。ミリアが前に出て発言する。

 「王の言う通り、悪魔ビアンカは倒しました。悪魔に操られていた王や娘たちも解放されています。今は争いより話し合いが必要です。」

 「分かりました。我々も聖女様のいる王都を血で染めたくはありません。話し合いを選択します。」

貴族たちは矛を収めて、一緒に王都へ入る。貴族たちの蜂起が無血で収まったのだ。王都の門は開かれ、民衆は俺たちを歓迎する。と言うより、聖女ミリアに対して歓声が上がっていた。

 宮殿に入ると大広間に会議場を設ける。席にはダミアン王、貴族たち、エッケハルトに俺たちまで参加することになった。貧民でのパウラは落ち着かないようだ。

 まず、ダミアン王が発言する。

 「悪魔ビアンカをのさばらせたのは私の失態である。謝罪する。娘たちについては私の妻になるか家へ帰るか決めて欲しい。」「それで済むとお思いですか。」

 「慰謝料を払うつもりだ。」「ダミアン王はこれまでにも問題を起こしている。退位されてはどうですか。」

ここでバルタザールが発言する。

 「王に非があることは認めますが、貴公らの行動が国難を招いていますぞ。」「どういうことですか。私たちは剣を収めましたぞ。」

 「今、国境にはアストラ王国の軍が集結しています。彼らは混乱に乗じて侵攻するつもりです。」「我らが招いたと言いますか。」

 「付け入る隙を作ったのは間違いありません。情報も漏れていたようです。」「・・・・・」

貴族たちはアストラ王国第三王女ミーメに相談していたことを思い出す。そして、蜂起するように仕向けたのはミーメである。

 「私たちはミーメ王女に駒にされていたのか。ダミアン王の退位のことは撤回します。アストラ王国と戦いましょう。」

貴族たちは手のひらを返したように言う。ミリアは異を唱える。

 「戦は避けましょう。悪魔を退治したのですからアストラ王国も進軍の理由を失います。私が国境に赴きましょう。」

俺たちなら空を飛べるから伝令より早く移動できる。アストラ王国軍を止めることは可能だろう。

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