第15話 戦いの終わり
部屋には余計な者がいなくなった。全力を出して壁に少しくらい穴を開けても悪魔を退治すれば文句は出ないだろう。すでに王妃候補ビアンカの部屋は火災が起きて美しかった部屋の面影はない。
ビアンカが集中して何か仕掛けようとする。俺は反射的に俊足でビアンカに迫り、上段から剣を打ち込む。ビアンカは後ろに飛んでかわすと胸の前に黒い球を作りだし撃ち出す。
あれはまずい、爆発するとこの部屋は消し飛ぶだろう。俺は黒い球を転移させようとするがチャンスを逃す。黒い球はウルズに向かっている。
ウルズは右手を前に出して黒い球を転移させる。上から衝撃波が来る。ウルズは上空で黒い球を爆発させたのだ。ミリアが叫ぶ。
「ウォール、よけて!」
俺が後ろに飛ぶとビアンカに向けて炎の渦が襲い掛かる。キルケとパウラの魔法だ。ビアンカは炎に包まれる。しかし、ビアンカは炎の中で児戯だと言わんばかりに笑っている。
防御シールドを張って炎を防いでいるのだ。ビアンカが右手を俺に向けて指さす。すると炎は俺に向かってくる。俺は防御シールドを張ってしのぐ。
ミリアが光魔法の浄化を発動する。ビアンカはかた膝をついてしゃがみ込む。俺を襲っていた炎が消える。俺は剣に光をまとわせて上段から打ちこむ。
ビアンカはしゃがみ込んでいたので避けられない。俺は頭を狙ったがかわされ、剣は左肩を切りつける。剣にまとわせていた光は切り口を焼いてビアンカを苦しめる。
さらにミリアが剣に光をまとわせて突きを放つ。剣は深々とビアンカの腹に刺さる。ビアンカは痛みをこらえて左手でミリアの首を掴む。
まずい、ビアンカは炎でミリアを焼く気だ。俺は剣でビアンカの左腕を切り落とそうとする。だが、ビアンカの方が早いだろう。
その時、再び浄化が発動される。ビアンカの集中が途切れて魔法の発動が遅れる。俺は、腕を切り落とす。ミリアはひどい汗をかいてよろける。俺はミリアに気を取られる。
先程の浄化はキルケが発動していた。ビアンカは隙を見て、切り落とされた腕を拾うと逃げ出そうとする。ビアンカは部屋から逃げることが出来なかった。
部屋にはいつの間にか結界が張られており、火災も消されていた。ウルズがしたことだった。ビアンカは結界を破ろうとするが歯が立たない。
上級悪魔が張った結界である。ビアンカに破ることは不可能だ。
さすがのビアンカも光で焼かれた傷口はなかなか治らない。後はビアンカの首を落として殺すだけだ。
ビアンカの魔力が突然膨れ上がる。そして、収束していく。ウルズが慌てた様子で命令する。
「全員、我のそばに集まれ。」
俺たちは急いでウルズの周りに集まると結界の外に転移する。俺は、結界の中でビアンカが膨れ上がり爆発するところを見る。
「ウルズ先生、自爆したのですか。」「そうだ、我々を道連れにするつもりだったのであろう。」
ウルズは結界を解除する。結局、俺たちは最後にウルズ先生に助けられてしまった。




