第6話 宰相エッケハルトの苦境
騎士たちは村人の案内で近隣の村まで到着する。
「あのミハス村は何なんだ。俺たちよりみんな強かったぞ。」「グレイグリズリーを狩りに行くんだ。強くなるだろう。」
「ミハス村だけで他の国を制圧できるぞ。」「敵に回したら俺たちも危ないな。」
騎士たちはミリアとウォールの強さの秘密がミハス村にあると考える。そして、足早に宮殿に向かう。
王都ダルヴィークに戻ると秘かにバルタザール騎士団長に連絡を取る。バルタザールは騎士たちと宮殿の外で面会する。
「聖女ミリアと従騎士ウォールには会えたのか。」「はい。ミハス村にいます。」
「連れ戻すことはできなかったか。」「代わりに使い魔を預かっています。」
使い魔のピートが騎士の肩からバルタザールの肩に飛び移る。
「ピート、バルタザールの役に立つ。」「話せるのか。」
「ウォールが作ったのですよ。」「そんなこともできるのか。使い魔のことは他言してはならないぞ。」
「ダミアン王には何と報告すれば・・・」「必要ない。ビアンカのことで頭がいっぱいだ。」
騎士たちは、ダミアン王が女にのぼせて大丈夫なのかと思う。ダミアン王はビアンカのために多くの時間を費やしていた。
エッケハルト宰相がダミアン王に意見する。
「ダミアン様、ビアンカ嬢に関わりすぎではないですか。このままだと仕事が滞って国の運営に支障が出ます。」「エッケハルト、誰に意見をしている。それより聖女ミリアを連れてこい。」
「ミリア様をどうするつもりですか。」「ビアンカを悪魔と決めつけたんだ。罰してやる。」
エッケハルトは、これ以上何も言わなかった。ダミアンはビアンカの虜になっており、何を言っても無駄だと判断したのだ。エッケハルトはバルタザールに面会する。
「バルタザール、ビアンカ嬢のことをどう思う。」「ダミアン王にとっては毒でしかありません。排除が必要でしょう。」
「ビアンカ嬢は王妃候補だぞ。これを追放とするにはそれなりの理由がいる。」「聖女ミリアは、ビアンカが悪魔だと言っています。何か証拠があれば良いのですが・・・」
「ミリア様はウォール殿とミハス村ですな。」「知っていましたか。」
「役職柄、独自の情報網を持っています。」「この国はどうなるのか・・・」
「このままだと傾きます。ビアンカ嬢に対して浪費がひどい状態になっています。このままだと第2のディンケルとなるでしょう。」「まずいですな。」
「はい。ダミアン王は国民に人気があるとは言えません。そのうえ増税などしたらどうなるか。」
エッケハルトはため息をつく。バルタザールはこの状況を手紙にして使い魔のピートにミリアとウォールへ届けさせる。
手紙はミリアとウォールの元に届けられる。そこにはエッケハルトとバルタザールの苦境がつづられていた。ミリアがウォールに言う。
「戻った方が良いかもしれないわ。」「戻ってビアンカを排除するのかい。」
「そうよ。」「それでは俺たちが何も罪のないビアンカを追い出したことになる。悪魔ビアンカを排除したことでないと戻れないよ。」
ウルズがミリアを説得するように言う。
「もう少し我慢するが良い。ビアンカが動き出すぞ。」
ウォールは、バルタザールにビアンカが動き始めたら知らせて欲しいと手紙に書いてピートに託す。




