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第22話 ラウルとの交渉

 俺はラウルにいう。

 「必ず、代わりに利益が得られるものを用意する。三日後に出直すことにするよ。」「それは認められません。」

 「どういうことだ。」「あなた方が領主に私たちを売る可能性があります。」

 「俺たちを屋敷から出さないつもりか。」「そうなります。死んでいただくことが一番なのですが、三日待ちましょう。」

 「殺すつもりか。」「バショウ貝の取引の利益はラウル商会の生命線なのです。」

ラウルが目で合図する。するとミーメの後ろにいた男がミーメの頭を掴み、首にナイフを突きつける。

 「みなさんの武器を預からさせていただきます。」

ラウルは本気だ。俺たちは武器を全て外して手渡す。ラウルは武器を回収するとミーメを開放する。

 「あなた方には、ここにいてもらいます。後で良い交渉が出来ることを期待していますよ。」

俺たちは部屋に閉じ込められる。窓には逃げられないように金属製の格子をはめてある。俺はミリアに言う。

 「いざとなったら魔法で逃げるか。」「そうね。いざという時はそうしましょう。」

 「ラウルは聖女様がいることを知っています。対策をしているはずです。」「この建物が対魔法構造ということか。」

 「はい、結界が張られているかもしれません。」

マテウスは、ラウルが万全の準備をしていると考えているようだ。本当かどうか試してみたいがミームたちに魔法を使う所を見せたくないのでやめておく。

 ミリアも同じ考えのようだ。俺とミリアはウルズ先生に対魔法結界の中で魔法を使う訓練を受けている。だから、ラウルが準備していても魔法を使えるはずだ。

 ミリアが俺たちに言う。

 「ラウル商会とは良好な関係でいたいわ。」「確かに船を動かす人員がいるからな。」

 「ここは、交渉して仲間にしたいわ。」「アークデーモンを討伐したら、協力した功績でバショウ貝の取引を独占できる権利を獲得するというのはどうだい。」

 「ダミアン王次第ね。」「ダミアン王もこの協力は無視できないと思うよ。」

俺とミリアが話しているとミーメが割り込む。

 「良い考えだが、得た利益の一部をダミアン王に献上するということにするとよいぞ。」「そうか、王も利益が入るなら文句はないな。」

俺は、この方法ならラウルが条件を飲むと考える。そして。ラウルに話し合いの申し入れをする。するとラウルは俺とミリアだけ自分の部屋に呼び出す。

 俺たちとミーメたちを引き離すつもりだ。ミーメたちは人質というわけだ。

 「私に話があるということは、良いお話が聞けるということですね。」「商会が欲しいものは、バショウ貝の取引を独占できる権利だろ。」

 「その通りです。権利があれば影で取引する必要はありませんから。」「俺とミリアがアークデーモンを討伐したら、ダミアン王に俺たちに協力した者として権利を与えるようにするというのはどうだ。」

 「王が認めない可能性がありますね。」「ラウル商会が権利を独占して、利益の一部をダミアン王に献上するというのはどうだ。」

 「なるほど。王は新しい金づるを得ることになりますので、可能性は高まりますね。」「この辺りで手を打ってくれないか。」

 「ミーメ様達にはここに残ってもらいたいと思っています。」「あまり欲をかかない方がいいぞ。」

 「あなたたちは私の手の上にいるのですよ。」「あんたは、アークデーモンを屋敷に閉じ込めておけるのかな。」

 「まさか。あんな化け物を・・・」「俺とミリアは、そのアークデーモンを倒しに行くのだが、いつまでおとなしくしておられるかな。」

 「暴れるのですか。武器はないのですよ。屋敷には対魔法結界を張っています。何ができるのですか。」「こういうことはどうかな。」

俺は炎の玉を作りだす。ラウルの顔色が変わる。俺は炎の玉を床に落とす。床に敷いてある絨毯が燃え出す。するとミリアが水の玉を作りだして消火する。

 ミリアが俺に言う。

 「やりすぎですよ。」「絨毯が焦げただけだよ。」

ラウルは裏返った声で言う。

 「なぜ、魔法が使える。それも詠唱していないではないか。」「俺たちは魔法を阻害する環境でも使えるように訓練している。それに詠唱は必要としない。」

 「そうか、私も命が惜しい。その条件で協力しよう。」「あんたに損はさせないよ。」

俺たちはラウル商会のマイラ島に向かう船に乗せてもらえることになる。


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