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第16話 ミリアに再会する

 教会ではウォールが騎士に叙任されたことで聖女ミリアの希望通り、ウォールを従騎士に押す声が高まる。ウォールはようやくミリアに会うことが出来る。

 俺はミリアに会うため、教会へ行く。そこには美しく成長したミリアがいた。幼馴染の美少女との再会、これは点数が高い。全てを投げ出してきたかいがある。

 「ミリア、俺のこと分かるか。」「忘れたことないわ。ウォール、たくましくなったのね。」

 「ミリアこそ美しくなったよ。」「これ、ウォール。美少女ミーム様のことをいないことにしていないか。」

 「ウォール、その子、だーれ、ずいぶん親し気ね。」「ミリア、何のことかな。ここには君と二人きりだよ。」

 「こら、無視するな。夜伽をしてやったではないか。」

ウォールの顔色が悪くなる。ミリアはミームに話しかける。

 「もしかけて、アストラ王国第三王女様かしら。」「そなたは聖女ミリアであろう。ウォールは我のものじゃ。」

 「ウォールは幼馴染でお風呂も一緒に入っていたし、一緒に寝ていたのよ。」「子供の頃の話であろう。我は先日夜伽をしたのじゃ。」

ミリアの顔が赤くなってくる。

 「ウォール、どういうこと。王女様と何かあったの。」「グレイグリズリーの群れから助けただけだよ。」

 「夜伽ってなーに。」「それは寝ていたらミーメが背中に抱き着いてきたんだよ。」

 「それだけ。」「そうだよ。」

 「なんだ、王女様の独りよがりだったのね。」「こら、ウォールがウソを言っているかもしれないぞ。」

 「ウォールがウソを言えばわかるわ。それに今日初めてあった人の話を信じる方が難しいわ。」「我は諦めないぞ。」

それから俺とミリアはミハス村の話で盛り上がる。ミーメが邪魔しようとするが二人には聞こえていない。しばらくすると司教が俺に質問する。

 「ウォール殿はミリア様と同様に無詠唱魔法を使えると聞きましたが。」「同じ先生に習ったので使えますよ。」

 「するとミハス村には他にも無詠唱魔法を使う魔法使いがいるのですか。」「いいえ、弟子は俺たち二人だけです。」

 「そうですか。失礼ですがどの程度魔法が使えるのですか。」「俺はミリアより3年余分に習っていましたのでミリアより使えますよ。」

 「まさか。聖女様以上だと・・・」

司教は驚いて床に座り込む。俺の方がミリアより長く習っていたのだ、その分魔法が使えることは当然だ。ミーメが余分なことを言う。

 「ウォールは一軍に匹敵するぞ。無数のアイスニードルやファイヤーアローを作りだしていたからな。」「何ということだ。」

司教は這いずりながら教会を出ていく。ミーメが勝ったように胸を張る。ミリアが怖い顔をして言う。

 「あんたたち、なんてこと言うのよ。これまで魔法を抑えてきたのよ。」「実力があるなら見せつければいいだろ。」

 「私も最初はそう考えていたけど、前の聖女様のことがあるから、あまり差を見せつけないようにしていたのよ。」「前の聖女様は亡くなったのだろ。」

 「そうよ。女神ケレスの神託を受けて聖女になってから死ぬまで国に尽くした立派な人よ。」「ミリアが言うのだからそうなんだろう。ミリアは大変だな。」

 「ウォールも従騎士になるのだから一蓮托生になるわよ。」「ああ、ミリアと一緒だ。」

教会の隅に控えていた従騎士代行のボニファーツがミリアに近づいて礼を言う。

 「ディアナをそのように考えてくれてありがとう。ディアナとミリアは仲が悪いものだと思っていたよ。」「最初は戸惑ったけど、ディアナ様を認めていましたよ。」

 「だったら、聖女ミリアは自分らしくやってくれ。ディアナもその方が喜ぶと思う。」「はい。」

ミリアは、無口なボニファーツがこんなに話すことは初めてだった。俺は先代の従騎士だったボニファーツに質問する。

 「従騎士は何をすればいいのだ。」「聖女を全てから守ることだ。魔物や敵だけではない聖女を利用しようとする者からも守るのだ。」

 「俺には剣と魔法しかない。」「今はそれで十分だ。」

俺はボニファーツにミリアを託されたように感じた。

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