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第13話 俺は無実だ

 馬で町を出ると進行速度が上がる。これなら、あと一泊するだけで王都へつけるだろう。休憩をとりながら一日走って村で泊まることになる。野宿でないことは助かる。

 俺たちはラース、マテウス、騎士二人の五人で一部屋に雑魚寝する。村なのでベットはミーメだけで、俺たちは床に寝る。寝ていると誰か背中に抱き着いて来る。

 ラースか?寝相が悪い。男に抱き着かれて気持ち悪いので、手を握って引きはがそうとする。あれ、手が小さしぞ。すると耳元に声がする。

 「我が添い寝をしてやろう。」「ミーメ様、戯れが過ぎますよ。」

 「我は本気じゃ。おぬしの好きにしても良いのだぞ。」「俺はロリコンじゃないので、自分の部屋へ帰ってください。」

 「いやじゃ。我の色香でおぬしを落として見せるぞ。」「怒りますよ。」

マテウスが目を覚まして俺たちに気づく。

 「ミーメ様、何をなさっているのですか。」「ウォールに連れられてきたのじゃ。」「嘘つけ!」

 「ウォール殿。」「俺がそんなことするわけないだろ。」

とうとう全員が目を覚ます。ラースが俺を変態を見るような目で見ながら言う。

 「ウォール、少女が好きだったのか。変態は従騎士になれないぞ。」「俺の話を聞いてくれ。寝ていたらミーメ様が抱き着いてきたのだ。」

 「そちは責任逃れをするのか。」「ウォール殿。」

ミーメはなみだ目で言う。みんな、俺を冷たい目で見る。う~っ、俺が悪者か。

 結局、証拠がないのでラースが俺の行動を監視することで収まる。

 俺の旅は針の筵に変わる。グレイグリズリーを五匹も倒したのは誰だ?山賊を全滅できたのは誰のおかげだ?そこの騎士、ケガを治してやったろ。俺は頭の中で抗議する。

 口に出して言っても逆効果に違いない。世間は男より少女に優しいのだ。

 俺がうんざりしているうちに王都ダルヴィークに到着する警備の兵にラースが声をかける。

 「私は宮廷騎士のラース・ローデンバルトだ。只今、特使のアストラ王国第三王女ミーメ・アストラ様を護衛している。宮殿に知らせをやってくれ。」「はっ。」

兵が馬を走らせて知らせに行く。そして、警備の兵は、場違いな服装の俺に注目する。

 「彼は、ミハス村のへん・・・農夫だ。」「なぜ、農夫が一緒なのですか。」

 「彼は剣の腕が立ち、魔法も使える。一度、騎士団長に会わせるつもりだ。」「なるほど、そうでしたか。」

ラース、俺は変態ではないぞ。信じてくれ。俺たちは街の中に入る三年ぶりだが、さすがに人が多い。俺はラースに言う。

 「俺はバルタザール騎士団長に従騎士になると宣言するぞ。」「従騎士になれると思っているのか。」

 「俺は無実だ。」「ミーメ様は騒ぎ立てるだろうな。聖女ミリア様の耳にも入るぞ。」

 「ミリアは幼馴染だ。きっと信じてくれる。」「そうだといいがな。」

宮殿の門にたどり着くと宮廷騎士団が待っていた。俺とラースは馬から降りる。俺はバルタザールに言う。

 「あんたの前に来たぞ。従騎士になりに来た。」「話は後だ。下がっておれ。ラース、彼を客室に案内しろ。」「はっ。ウォールこっちだ。」

俺はラースに連れられて行く。宮廷騎士団は特使を出迎えに来ていたのだ。俺は部屋にあんなされて待たされる。ミーメが王様に何か余計なことを言うのではないかと心配になる。


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