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第2話 Sランクパーティー、ミハス村へ向かう

 Sランクパーティーは、ミハス村近郊の街に立ち寄る。ロイドは、人当たりがよくコミュニケーション能力が高いので、あったばかりの町の有力者と友達のように話している。

 「ミハス村に行こうと思っているのだけど誰か道案内を頼めないかな。」「それは無理だよ。ミハス村へ行くやつなんでいないよ。」

 「どうやって村と交流しているのさ。」「ミハス村から来るから、そいつと取引をするんだ。」

 「なんで、ミハス村へ行かないんだい。」「あの村にはルビーアイという悪魔が住んでいるし、殺し屋ウォールというやつもいて、誰も行きたがらないのさ。」

 「俺たちはミハス村へ行きたいんだ。料金をはずむから村の見えるところまで案内できないかな。」「無理だよ。ミハス村の周りの山はグレイグリズリーいるんだ。山に入ったら出て来られないのさ。」

 「でも、ミハス村の人は外に出られるのだろ。」「彼らは、一人でグレイグリズリーを倒すことが出来るとんでもない連中なのさ。」

ロイドはミハス村の人は非常に強いと考える。その中で目的のウォール・ヤーンは殺し屋ウォールと恐れられている。これは厄介なクエストになると感じる。

 Sランクパーティーは相談してさらにミハス村に近い村へ移動する。ここでもロイドはコミ力を生かして村長と話す。

 「ミハス村のウォールに討伐依頼が出ていてミハス村に行かなくてはならないのです。」「殺し屋ウォールか。何かしたのかね。」

 「分かりません。金貨100枚の賞金首になっています。」「わしはウォールを知っているが温厚な少年だった。まあ、グレイグリズリーを易々と殺していたがね。」

 「殺し屋というのは人殺しではないのですか。」「いやいや、グレイグリズリーをたくさん殺していたから、そう言われだしたのだよ。」

 「ロイド、どうする。このまま戦うのか。」「アマド、プライドがある。ウォールはかなり強いはずだが逃げられないよ。」

 「お前さんたち、このまま帰ってくれんかの。私たちは今までうまくやって来れた。壊されたくはない。」「申し訳ありません。私たちはウォールと戦います。」

 「そうか、せめてミハス村にたどり着けることを祈っているよ。」「ありがとうございます。グレイグリズリーには負けません。」

ロイドたちは村長にミハス村の住民が使う山道の入り口を教えてもらう。道の痕跡をたどりながら進む、しばらく進むとカリストが警告を発する。

 「魔物の反応だおそらくあの倒木の影に潜んでいるぞ。」「アマドやるぞ。カリストは援護、ロザリーは加護を頼む。」「「「了解」」」

Sランクパーティーは素早く戦闘態勢に移行する。ロイドが倒木に近づいて行く。2メートルまで近づくとグレイグリズリーが飛び出してくる。

 ロイドは左の爪の一振りをかわすとグレイグリズリーのわき腹を狙って突きを繰り出す。ロイドの剣はわき腹に深々と突き刺さる。

 さらにロイドの後ろからアマドが飛び出し、斧でグレイグリズリーの左前足を断ち切る。グレイグリズリーが後ろに下がるとカリストのファイヤーボールが飛んでくる。

 グレイグリズリーは炎に包まれて、呼吸が出来ず倒れる。ロイドが剣を心臓に突き立てとどめを刺す。ロイドが独り言のように言う。

 「これを一人で倒すのか信じられん。」

Sランクパーティーは再び道の痕跡をたどりながら進んで行く。

 その頃、ウォールは村人と山の中にいた。山菜を採りに山に入った村人が、グレイグリズリーが人を襲った痕跡を発見したのだ。村人が散乱している装備の破片を見て言う。

 「これは、冒険者だな。」「おそらく二人だ。」「まだ付近にいるな。手分けして仕留めるか。」

ウォールたちは散開してグレイグリズリーを探し始める。Sランクパーティーは、ウォールたちがいる地帯に入って来る。

 カリストが再び魔物を感知する。

 「いるぞ。二匹だ。一匹は正面から来るぞ。」「もう一匹はどこだ。」

 「分からない。おそらく側面だ。」「仕方ない正面の奴からやるぞ。」

ロイドとアマドが前に出て構える。現れたグレイグリズリーに対して左右から攻撃を加える。グレイグリズリーはアマドに向かう。ロイドが後ろから背中を袈裟切りにする。

 アマドは瞬間的に前に出て斧を首に打ち込む。その瞬間、もう一匹のグレイグリズリーがロザリーを狙って藪から飛び出してくる。ロザリーは逃げようとする。

 カリストが魔法を詠唱するが間に合わない。その時、黒い影がグレイグリズリーの前に出て剣を一閃する。グレイグリズリーの頭が落ちる。ロザリーは恐怖にひきつる。

 「お嬢さん、危なかったな。間に合ってよかった。」

ロイドは男が自分より剣の腕が立つと考え、声をかける。

 「もしかしてウォールさんですか。」「いいや、ちがうよ。ウォールなら合流する予定だよ。」

 「私たちは王都から来たSランクパーティーです。ウォールさんに合わせてください。」「分かった。今からみんなを呼ぶよ。」

男は指笛を鳴らす。すると村人が集まって来る。ロイドは村人を見ただけでかなり剣の腕が立つと感じる。そして、一段と強い男がやって来る。


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