来世でまた逢いたいきみへ
掲載日:2025/10/12
私が心から愛した人は、まるで春の桜のように儚く美しい少女だった。
彼女は、この世から静かに消え去ることを望みながら、内に秘めた情熱と優しさ、そして強い意志を湛えた、愛おしい存在だった。
私と初めて出逢ったとき、彼女の心はすでに死へと傾いていた。
「来世では、幸せになりたい」
そう言って、彼女は希望に輝く瞳で、どこか悲しげな言葉を紡いだ。
「ここにいて、私が貴女を守るから」
涙ながらに訴える私を、彼女はただ静かな眼差しで見つめるだけだった。私の声は、彼女の心の奥に届くことはなかった。
ある冬の朝、彼女は大きな希望を胸に、遠い空の彼方へと、たった一人で旅立った。
月乃、聞こえてる?
貴女は今、どんな思いを抱いているの?
貴女がこれまで背負ってきた苦しみから、ようやく解放されたかな?
貴女は今、幸せ?
風に舞う桜の花びらのように儚く散ってしまった貴女。
どうか今、貴女は優しい夢の中で、幸福に満ちていることを願う。




