命名
〜車内〜
「事務所までちょっと遠いから、車で来たんだよ。」
「そっか。・・・もしかして、ライン見て来てくれたの?」
「うん。」
「ほのぼの話してるとこ悪いけど、これから仕事を覚えてもらったり、武力つけたりしてもらうぞー。」
「まじすか・・・」
「・・・あと、死体の処理の仕方も。」
「・・・・・・」
〜事務所〜
「その前に自己紹介してなー。」
事務所に着いた。
外見はビル、中は結構広かった。
「・・・あ、アキが言ってた人!」
制服を着た少女が明るい声で言う。
「初めまして!あたしは由奈!神楽由奈!」
明るくて朗らかだ。
「あ、よろしく・・・斉藤律です・・・」
「みんな知ってるよ〜!アキがきっと事務所来てくれるって言って名前教えてくれたんだよ!」
「そんな期待してくれてたんだね・・・」
「ご、ごめんね、ついつい。久しぶりに会えると思って、嬉しくて・・・」
「二人とも。次の人行きなさい。」
なぜか団長が呆れたような顔で言う。
「はーい団長。」
「こんにちは。僕は神楽結衣。よろしくね律くん。」
中性的な見た目の少年だ。
「僕は、男だよ?」
「わ、分かってるよ。」
「そっか、なら良かった。僕よく女性と間違えられるからさ・・・」
「そういえばさっきの子・・・由奈さんと苗字同じ、だね。」
「そう。ユナは名前がなかったから、助けた僕がつけたんだ。」
「助けた・・・さっきのアキたちみたいなもんか。」
「そう!」
「今事務所にいるのはこれだけだから、あとは俺とアイツか。」
「団長は、名前なんて言うんですか?」
「団長は、団長だよ。」
「え、団長って名前なんすか?」
「違うよ。名前は言わない。名前を知っている人は、世界に一人だけー。」
「聞かない方がいいんですか?」
「聞かれても言わないよ〜」
「・・・・・・」
「そう怒んなって。とりま、四階行きな。傷を見てくれる人がいる。」
〜四階〜
階段を登って四階のドアを開ける。
「君が新しく入った子か。」
内装は学校の保健室のようだ。
そこには左目を髪で隠している、美しい女性がいた。
「私は星野千春と言う。人助け事務所の中では救護に回ることが多いが、戦闘面でも頼ってくれると、嬉しい。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
「早速だが、かなり酷い怪我だな。そこに座ってくれ。」
「・・・人助け事務所って、その・・・」
「なんだ、なんでも言え。」
「名前、ダサくないですか・・・?」
「・・・!ふっ、はははっ!」
笑った・・・
〜事務所〜
「と、言うわけで、緊急会議だ。全員はいないがな。」
八人分の椅子がある長机につく。
「ヒナコとソウは、任務だよね?」
ユナが聞く。
「そのはず。ああリツ、ヒナコとソウってのは、今東北の方に任務に行ってる構成員。こんど紹介するよ。」
「東北!?」
「そうだよー。たまに遠くから依頼が来るから、来てもらうのも悪いしこっちから行くんだよ。」
「へ、へぇ・・・」
「とりあえず、この会議は人助け事務所の名前を変える会議だ。ダサいとの声があったからな。」
「ええっ!?変えるの!?」
「僕たち慣れちゃったからなぁ、ダサい?」
「うん、ダサいかなと・・・」
「いやぁ、名前どうするー?」
団長はノリノリだ。
「命名したの団長なのに!?えー!?」
「ユナ、団長はこういう人だよ・・・僕らでもまだ掴めない・・・」
「そもそも人助けなんて、何でも屋みたいになるからな。」
その時アキが言う。
「ねぇ、事務所の名前さ・・・!」
「悪人討伐事務所はどう!?」
「ダサいな。」
「ええっ!?」
「まあでも、人助け事務所よりは!!」




