任務、終了
〜暴力団事務所前〜
「ただいま〜団長!」
「おかえりユイ、リツ。お疲れ様だったね〜」
パァン。
「・・・え?」
事務所で何度も聞いた、あの音がした。
後ろを振り返ると、黒服が一人。
銃を構えて立っていた。
「・・・!!」
まだ、いたのか。
俺は迷うことなく、そいつに駆け寄った。
距離はあまりなかったので、連射はさせず、鉄パイプで殺した。
躊躇もなく、殺してしまった。
だが。
ユイたちのところに戻るとそこには、ぐったりと倒れているユイが、いた。
なぜだ?
なぜユイは倒れて・・・?
なぜ血の海が広がって・・・?
なぜ団長は絶望して・・・
・・・・・・
あの弾・・・
「嘘、だろ・・・?」
ユイの額には、穴が空いていた。
当たって、いた・・・?
「・・・え、ユイ・・・?団長、ユイは、大丈夫・・・」
「・・・・・・」
「嘘、ですよね?団長!?」
だが、倒れているユイの頭から流れる血が、俺の靴を濡らした時。
やっと現実が理解できた。
「う、うそ、だ・・・そんな、ユイがっ・・・守れなかった・・・?」
涙は出なかった。
理解しても、混乱が止まらない。
「・・・ユイを連れて、帰るぞ。」
「・・・え」
団長がユイを抱き抱えて車に乗せる。
地獄のような時間だった。
後部座席には、ブルーシートに包まれた、ユイの、ユイの・・・
遺体が座っているなんて。
〜事務所〜
「おかえり。・・・って、大丈夫!?」
「どうしたんだ二人とも。顔色が悪いぞ。」
「あれ?ユイは? そういえばあたし連絡返ってきてないけど・・・」
団長はゆっくりと口を開く。
「ユイは死んだ。」
「・・・は?ウソだよね? いつもの冗談?」
「や、やめて、ください、団長。そんなわけ・・・ねぇリツ?」
「・・・・・・」
「ちょっと、どういうこと・・・ウソ、ついているように、見えないんだけど・・・」
「リツ。何があったか説明しててくれ。俺は。」
ユイを連れて、くるのか。
「・・・ユイと俺は、暴力団の事務所に、行きました。」
「・・・これで、話は終わり。俺もまだ、実感が湧いてなくて・・・」
「嘘・・・嘘嘘ウソよ!そんなっ・・・!嫌だっ!」
ユナが叫ぶ。
「ユナ、まだ、わからない・・・ね?生きて・・・る・・・」
アキのその言葉は、団長が運んできたユイの死体を見ると途絶えた。
「くそっ・・・なんでユイが・・・なんとも、ならなかったのか?」
「俺も気づけなかった。俺のせいだ。団長・・・失格だ。」
「ユイ、やだ・・・起きてよ・・・!」
泣きじゃくるユナに、チハルさんが寄り添う。
アキは、呆然としているだけだった。
あぁ、俺が・・・
気づいていれば・・・




