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第五話

さて、話は変わるけど……、

伯爵とはいえ、貴族が平民だと思われる生徒を毎日送り迎えしていたら、周りはどう考えるでしょうか?


正解は、『この生徒、もしややんごとなき身分の方では?』です。


まあ、私は五百年前とはいえ、正真正銘この国の王族の生まれだし、女神でもあるのでその考えは正しい。

そして、そう考える人達からは普通に接せられている。やんごとなき身分の人がお忍びで来るってことは、何か重要なことをしているのではないか、ということは普通に接することが一番この人の役に立つと貴族は(というか頭の良い人は)考える。


でも、頭がお花畑の人も一定数いて、そういう人たちは私を『貴族にすり寄っている平民』と見て攻撃する。最初、私に嫌がらせした時は周りに人がいたので、「君たち、一体何をしているんだ!?」「アムティア様を『汚ならしい平民』だなんて……!」「貴族にすり寄っている?其方(そなた)らこそ上の身分の方々にすり寄っているであろう?!」「このような公共の場でそんな品のないことを言うなんて……、貴方達のご両親のお姿を見てみたいものですわ」と袋叩きにされていた。


だが、さすが脳内お花畑たち。それからは人目を盗んで私に嫌がらせをするようになった。


例えば、一人で廊下を歩いている時に、すれ違いさまに悪口を言ったり、足を引っ掛けて転けさせようとしたり、上から水を被せようとしたりなどだ。まあ、足を引っ掛けるのと上からの水は女神の力を使わなくとも一般の魔法で防げる。それに気がついたお花畑達は、今度は嫌味を言うことの方を重点的にするようになった。


ひどい時には、休み時間に人の少ない場所に私を連れていき、数人で厳しいお言葉を言い聞かせようとする。


まさに今もそうだ。

「貴女、自分の立場を分かっていらっしゃいますの?」

私を睨めつけながら発したその台詞を始まりに、首謀の女生徒とその取り巻き達がぺちゃくちゃと喋っている。


でも、よくよく考えてみて。貴族がたくさん通うこの学園に『警備』という存在が無いとでも?


「貴方たち、何をされているんですか!」

「き、騎士様……!」

この国の騎士は、貴族よりも平民の方が多い。でも、平民と侮ること無かれ。厳しい選別を抜けてきた騎士たちは、全員伯爵よりも上の地位になる。あと、下手したら国王以外の王族よりも。

だって、犯人を捕まえる時に『相手の身分が上だったので、捕まえられませんでした』となるのはダメでしょ?

だから、普段は侯爵レベル、緊急時には王族を越える身分になり、犯人を身分のせいにして捕まえられないことが無くなる。


つまり……、

「この事は、国王殿下にも伝えさせていただきます」

「そんな!」

さすがの脳内お花畑たちも、騎士に逆らおうとすることはない。逆らったら、即刻死刑でも文句が言えないからね。だって、自分よりも上の身分の人に背いたんだもん。この世界では当たり前。


……その当たり前を破る人がいるとは、思いもよらなかった。


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