第三話
「フッ、おもしれぇ女だな」
「!な、何を言って……」
これこそ、私が見たかったもの……!
あ、私はアムティア。約五百年前、女神になったものです。
あれから五百年。家族たちが亡くなったあと、私は、女神になる前と同じ生活をしていた。
まあ、女神ってばれるのは勘弁だから、三十年くらいしたら別の国へ行くってことを繰り返していたけれども。
そうして、ついに私は、乙女ゲームの場面を目にしたのだ…!
今のは、王道攻略対象者とヒロインの出会いイベント。私はこのところを、透明になりながらじっと見ていた。
この乙女ゲームは、平民だけれど特待生として特別に入学が許されたヒロインが、王子たち攻略対象者の心を癒していく王道学園物語。王道だけれど、各イベントの濃さや伏線回収がものすごい。前世でも、乙女ゲーム界隈ではとっても有名な乙女ゲームだった。
「まあ、せいぜい頑張るんだな」
王道攻略対象者が、決めゼリフを言ってそこから去った。
ヒロインは……
「なんなのよ……!あんな、あんな俺様な王子に負けてたまるもんですか!」
お~、やる気になってる~!これもゲーム通り!
あ、この後は正統派イケメンの公爵子息との出会いイベントだね!その場所へ行かなくちゃ……
「ねえねえ、君、ここで何をしているの?」
!私に、話しかけている……!?私、今透明の魔法を使っているんだけど……、
「ねえ、聞いてる~?」
そこにいたのは、チャラ男キャラである攻略対象者の伯爵子息だった……。
「へぇ~、君女神様なんだ~!」
チャラ男キャラに捕まり一時間。私はこれまでのことを全て話してしまった……。
いやだって、最推しなんだもん!あのキラキラフェイスで言われたら答えちゃう……!
「あ、じゃあさ、この学園の生徒になろーよ!」
え?
「聞いてました?私は五百年も生きている神。学園にわざわざ入ることは無いし、そもそも入る資格も……」
「乙女ゲームのスチル……?ってやつを間近で見れると思うけど?」
「それは透明になって見ます」
私がそう言うと、チャラ男キャラは『分かってないな~』っていう顔をした。
「俺が、君と一緒に通いたいの!」
ドッキーン!
「はぁ……分かりました、入ります」
「良いの?やったー!」
最推しの願いは叶える。それがファンの性だ。




