第二話
勿論、今世の父たちは私に護衛をつけてくれた。でも、ただの人選ミスなのか何なのか、そいつらは私をほっぽりだして毎回泊まる街で遊んでばっかだったから捨てた。
そいつらのその後は知らない。
はじめの五年間はダンションに行っては魔物を倒し、魔物を倒し、倒し倒し倒したおしたおしたお……と、自分の育成に励んだ。
五年でレベルが999とカンストしたので、そこから二十年は世界を渡り歩き、街の困り事を助けたり、文献を読み漁ったり、凄く強い人と知り合ったりと、まあ、生き生きとした人生を歩んでいった。
例えば、ある村が狼の群れに襲われているところを助けたり、子爵の一人娘の病気を、私の持っていた貴重な薬草達で治したりなどがあった。
その狼の群れを討伐した時には、数百年に一人の逸材と後世で評価される槍使いと魔法使いの二人パーティーと出会った。まだまだ冒険については初心者だった私を助けてくれた二人には、とても感謝している。
子爵の娘に関しては、もし私がその貴重な薬草達を持っていなかったら確実に死んでいたと思う。私がそれらを持っていたのも、当時の人類の文明では抗えない武力を持つ、最難関ダンジョンの戦利品だったからだ。私はめちゃくちゃ鍛えていたのと、五百年後のゲームの内容を知っているからこそ集められたのであって、他の冒険者とかでは手に入れられなかったはずだ。
いやホント、間に合って良かったよ。
その後体調が回復した娘と、その時代で流行った物語を二人で語ることが出来て楽しかった。同じ趣味を持つ友達が出来るって良いよね!
でも、彼氏は一人も出来なかった。初恋も出来なかった。それだけはめっちゃ後悔している。……まあ、告白されていても、私は断ったけど。なんせ私は長寿を目指していたのだから。
転機は、世界を旅してから二十五年くらいたった頃だった。
「貴方が、不老不死の方法を探しているという人の子ですか?」
私の目の前に、神々しい女性が現れたのだ。
あるぇ?私、ただ宿屋で寝ただけなんですけど……?なんでゲームに登場する『女神様』が、私の目の前にいるの?
「私はこの世界を管理する女神。貴女の今までの行動が創世神様の目に入り、貴女を気に入られたそうです。なので、私はある『提案』をしに来ました。
人の子、貴女が不老不死になる方法は、一つだけ。私たちと同じ神になることだけで」
「なります!」
私は女神の言葉に食いぎみで答えた。目の前にいる女神は知っているけれど創世神という存在は知らない。何の行動が気に入られたのかは分からないけれど、これは長寿になるチャンスだ!
「良いのですか?不老不死になるということは、人をなくすことを永遠に体験することになりますが……」
「……分かってます。でも、私は乙女ゲームを見たい」
自分勝手だってことは分かっている。でも、この旅は不老不死になることを探す旅だった。だから、その可能性も分かっていた。
「だからこそ、これからは家族と共に過ごし、乙女ゲームが始まるまでは今まで通り過ごそうと思っています」
女神は少し考え、宣言した。
「分かりました。アムティアを、神に任命します」
女神の宣言で、私は女神 アムティアになった。




