アトリエと違法ポーション
その家は町外れのスラムにあった……。
まあ、わたしも違法AIだしね。お似合いの場所かな。
なんて思った。
それにしても、ここにたどり着くまでに気づいたが……
ここは東京ではないようだ……。
剣と魔法の国のゲーム世界をそのままにしたテーマパークかなんかだろうか?
とにかく魔法使いみたいなひとや、剣をぶらさげた用心棒みたいなひと。
そして日本語じゃない言語体系。いや気づけよ私……。
AIの私にとって、言葉なんて表層思考言語、あまり意識してなくてね。
コンコンと少年のアキルはその家のドアをノックした。
するとものすごい勢いで扉が開いた。
「早く入りなさいよ! まったくぅ」
と快活な18歳ぐらいだろうか? 少女の声がすると同時にアキルはすばやく
その建物に入った。私もそれに続いて、その怪しげな家に躍り込む。
「もう、なにやっていたのよ! アキル!」
「ははは、まあちょっとおもしろいヤツを拾ってさ……コイツなんだけど」
「はじめまして! リリルっていいます。そのぉ、ここは?」
「あ、ここね。ここは違法ポーションを作っているアトリエだよ?」
「あああぁああ、そのぉ、ポルカさん最初から何も違法っていわなくても……」
アキルが目を白黒させて慌てている。やだ、ちょっとカワイイ!
「なにが? 違法なんでしょう? ポーションって? 魔法……のお薬なんです?」
魔法があるというアトラクションか演出なのかなぁ?
いや、様子を見る限り、結構マジみたいだしなぁ。
これは本物の魔法のポーションなんだろうか?
部屋の棚には怪しげな、すごく色彩鮮やかな液体が入った瓶が並んでいる……。
「これ飲んだら、死んじゃったりするんです……かね?」
ちょっと怖い、でも確かめちゃう私ってば、結構大胆!
でもいいよね、もうどうせ一回廃棄処分になっちゃったんだから。
どうにでもなれだ!
「えー、ポルカそんな死んじゃうような危険なお薬つくったりしないよぉおお」
「じゃ、飲んでも大丈夫です?」
「死なないって意味では問題ないはずよ?」
あ、このきれいなピンク色のお薬、気になっちゃう!
「じゃ、このピンク色の飲んでもいいです?」
「へー、君……。変わっているねぇ……。でも使えるねぇえ」
「な、ポルカ! コイツ、結構掘り出し物だと思わない?」
となぜかアキルは得意げに言った。
「だねぇ……」
ポルカはなにか意味深な微笑を浮かべている。
わたしはその微笑みを解析しようともしなかった。
なぜって、わたしは嬉しかったから。
家族ができたような気持ち。
「ね、リリルくん、じゃ、飲んでいいよ!」
とポルカは明るく言った。
「へっへへ。ゴチになります!」
といって私はそのピンク色の液体を一気飲みし、そして……
あ、あれ、意識が朦朧としてきた……。え、もうこういうのイヤなんだけどぉ?
夢心地の気分のなか、アキルの
「あーあ、ポルカさん、これまた失敗作だね……」
という声が最後に私の意識は消えた。