40万PV達成記念S.S ポタタ祭り
40万PVありがとうございます。
本当に嬉しいです。
皆様のPV、ブックマーク、応援が創作の励みになっております。
うーっ ポタタ!
ポッ タ ポタータ ポッタ ポタータ!
ポッ タ ポタータ ポッタ ポタータ!
はい! 浮かれてます! ゴウです!
なぜこんなに浮かれているかと言いますと。
苦節三年、ついにポタタが本格的に収穫できる量まで増やせたのです! この秋に収穫できるポタタはかなりの量になりそうですよ。
と、言うわけで……。
パンパカパーン! ポタタ祭りを開催したいと思います。
ポタタ……じゃがいもと言えば、コロッケ!
コロッケを作ります!
予定では300人分を作って皆で食べたいです!
この町の名前がゴウタウンになった記念もあるし、皆んなで楽しいことしたいよね。
では、材料の説明です。
ポタタ、600個
玉ねぎ、100個
豚ひき肉 、10キロム
卵、100個
小麦粉、5キロム
パン粉、5キロム
塩、適量
すみません適当です。
さらに、キャベツに似た野菜も見つけました。
トマトゥルも順調に育って増やせています。このトマトゥルは中の果肉がゼリーみたいに柔らかく齧り付くとじゅわっと滲み出るタイプでした。俺の好きなやつ。
豚は一頭丸々、あと狩に出て鳥や猪も獲ってこよう。
豚の脂身でラードを作り、肉はミンチの他はトンテキにしても良いなあ。
とにかくお祭りにしたいのです。
協力者は、町の奥様方とジーンとバルトさん。ミンサーとコロッケ揚げるための中華鍋みたいなのと、ポタタを茹でる大きな鍋とか作って貰わないとね。
俺? 俺はね、猪狩るのと。ふっふっふっ、マヨネーズを作りたいと思います!
マヨネーズ用の油は大豆と菜種を絞って作ります。
大豆もねー、広まったんだよ。夏の枝豆はこの町だけでなく新男爵の街でも好評です。大豆もスープに入れる具材や油として絞ったカスを牛の餌にしたり使い道はたくさんあります。
あとお酢ですね、お酢は麦かポタタを発酵させて蒸留したアルコールから作れないかな? パン作りに使った果実で果実酢? いろいろやってみよっと。最近この辺りはユユさんやリリちゃんも手伝ってくれる。出来上がると美味しい物が食べられると学んだらしいです。
…………
さあ! 楽しいポタタ祭りの日がやってきました!
ポタタの収穫! オッケー!
玉ねぎ! オッケー!
ミンチ! オッケー!
その他! まるっとオッケー!
ただいま作業台では、町の奥様方や食事場の大将も混ざってポタタを切るのと玉ねぎみじん切りの真っ最中です。
ミンチの方は、ミンサーのおかげでサクサク出来上がっています。ちなみにミンサーは肉屋で購入が決まっています。
ラードは豚肉の脂を中華鍋で溶かしている所です。
猪や鳥も無事に狩れたので、トンテキや肉だけでも皆んな十分食べられると思います。他の狩人さんや農家の人も差し入れで持ってきてくれたので、肉だけはたくさんになりました。
キャベツ?
なぜか町中の子供達が集まって、千切り大会が始まりました。皆んな上手だねぇ。
マヨネーズ? ココにあります保冷箱の中に準備完了です! いやー結構大変でした。なかなか納得いく味にならなかったんだけどユユさんもリリちゃんも十分美味しいと言ってくれたので良しとします。
ちなみに我が家では食事の時の定番になりました。
トマトゥルはあちらの水桶に冷たく冷やしてありますよ。皆んな好きに取って齧り付いてね。
さて、そろそろ良いかな?
「おーい! 皆んな聞いてくれ! あっ、作業している方はそっち優先で、手元に気を付けてね」
「今日は、こんなに大勢集まってくれてありがとう! この町がゴウタウンになって一年、そして皆んなが頑張ってくれたお陰でポタタがこんなにも収穫できるようになった!」
俺の後ろには、この秋収穫されたポタタが山のように積んである。
「この他にも、大豆やトマトゥルなんか、皆んな新しい作物に一生懸命取り組んでくれてありがとう!」
俺は皆に向かって頭を下げる。
「そして、俺や町中の皆に急かされながらも一生懸命道具を作ってくれたジーン、バルトさん、ギルさん、他にもたくさんの人の手があったお陰でここ迄くる事ができました」
集まってくれた皆を見回す。
「本当にありがとう!」
もう一度、深く深く頭を下げる。
「今日も、色んな人に手伝って貰っているけれど、皆に振る舞いたくて、皆で楽しみたくてお祭りを催してみた、ポタタ祭りだ! 皆んな楽しんでくれ!」
あちこちで歓声や拍手が聞こえる。
・
・
・
「ふーっ」
「なかなか様になっとったじゃないか」
ここは、いわゆる来賓席。今日は元町長のセール男爵と奥様のリッチ夫人、それから領都から来た三人が揃っています。
「ありがとう、でもこういうのは緊張するね。町長はよくやれてたね」
「お前さんから掛けられる面倒よりはマシだったよ」
そう言葉を吐く口は、先ほどからコロッケを食べるが忙しいようです。本当は町長と呼ぶのもダメなんだろうけど、やっぱり町長なんだよな。笑ってくれてるし隣の二人も何も言わないから大丈夫なんだよね。
「どう? コロッケ? いけるでしょ」
「美味いな、このビールにもよく合う」
他の三人もうんうんと頷いている。
「そうだ、その野菜にかける新しいソースがあるんだよ」
俺は、保冷箱から出したマヨネーズを器からスプーンで掬って四人のキャベツへ乗せる。
「何だ? この白いのは」
「まあまあ、食べてみてよ」
皆んな恐る恐るマヨネーズの乗ったキャベツの千切りを口にする。
一番最初に完食したのはアリーさんだった。続いてロイさん。他の三人も同じようなタイミングで食べ終わる。
「次はトンテキ、鳥の唐揚げ、生野菜にも合うけれどこのソースは肉との相性もバッチリだよ」
皆んな無言で食べてます。
「これはマヨネーズと言います。この町の新しい名物にしようと思ってる。日持ちしないのと、冷やしておかなければならないので言ってくれれば作り方は教えるよ?」
この後、アリーさんとリッチさんにはマヨネーズの作り方を教えてあげました。
・
・
・
「いい景色だなあ」
皆が嬉しそうにしている、皆んな笑顔だ。美味しい物を食べると皆んな笑顔になる。お腹一杯でいられれば争いも起きない。
最初、この世界で前世の記憶を思い出した時、何が一番ショックだったかと言うと、皆の顔が暗かったこと。食べる物も碌になく、毎日あくせく働いても作ったものはお役人に取り上げられ、自分たちが食べられるのはほんの少し。それも大して美味しくないものを無理矢理お腹に詰め込んで。
食べる物を求めて奪い合っている姿もあちこちで見た。国同士でも豊かな土地を求めて奪い合っている。俺が元いた世界でも同じような事は起こっていたが、身近な場所では飢える人はいなかった。皆んな気軽に食べ物が買えて、いつでも食べられて、笑顔だった。
だから、せめて……せめて俺の手が届く範囲くらいは食べ物に困らず、いつでもお腹いっぱいに食べられるようにしてやりたいと頑張ってやってみた。
有難い事に、協力してくれる人が大勢いたので今この景色を見る事が出来ている。
「なあにゴウ、あなた泣いているの?」
いつの間にかユユさんが隣に立っていた。俺は泣いていたようだ。
「皆んなお腹いっぱいになったかなと思って」
「そうね、皆んないっぱい食べたんじゃないかしら」
「俺、頑張ったよね?」
「そうね、あなたは頑張った。皆んなの笑顔がその証拠よ」
ユユさんが、リリが、テツが、アベルにジーンにバルトさん、ギルさん。町長にリッチさん、アルさんコールさん。ロイさんにザックさん、アリーさん、他の町の皆んなの笑顔が見える。
「嬉しいなあ」
ポタタ祭りは大成功でした。
新作公開致しました。
AT『アベルとテツの』冒険譚 if異世界転生したおっさんが普通に生きる
読んで頂けたら嬉しいです。




