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第五十四話、久しぶりの狩


 伯爵へ送るグラスとヤケクソの品を町長へと渡し終わり、久しぶりに気晴らしにと狩に出てみました。


「暖かくなってきたし、鳥か獣の若い個体でも狩れると良いな」


 獲物を探して回るが、何故か一匹も見かけない。森の中も静かな気がする……。


「あー、今日はハズレか?」


 狩の方は無駄足でも。少しでも家計の足しになる物を収穫して帰ろうと、日の入る開けた場所や倒木がある場所を探して歩く。


 ふと何かの気配を感じ、気配のする方へ警戒しながら進むと…… ワイルドターキー? 珍しい獲物がいた、魔物の肉は総じて美味くないのだがターキー種だけは別でホーンターキーでもワイルドターキーでも肉が旨く肉屋でも高値で買い取ってくれるのだ。が、それ以外は素材になるのは魔石だけなので結局はトントンなのか?


 まあいい、折角の旨い肉が楽しめる獲物だ、しっかりと狩らせて頂きますよ!


 ワイルドターキーの動きを観察し、警戒されないよう注意しながら狩る場所を選びだす。


「今日は弓を持ってきていて正解だったな」


 無事にワイルドターキーを仕留め、血抜きと内臓を抜き魔石を取る。食べられる部分だけにした肉を川の水で冷やしている間、一息付いていたオレは先日までの事を思い出していた……。


 ……

 

 ウイスキーグラスに感動した町長、アレを最低十二個は作れと言ったのよ。


 あの、材料が足りません。


 金は出す? あの町長がねえ……?


 とにかく硅砂が足りないので集めるところから。


 これから寒くなるんだよねー。冬の川になんて入りたくないなあ…… とブツクサ言いながら冬の間にも頑張って硅砂を集めましたよ。


 そして、いざ作ろうとなるとグラスを作っても肝心の中に入れる物が……と、至らぬ事を思い付いてしまった俺は、あの時の自分を何故止めなかったのか。


「出来た…… 出来たよ。 これ以上はもう無理……」


 アレを見た時の町長の顔は…… 一生忘れません。

 


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