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異世界転生したおっさんが普通に生きる  作者: カジキカジキ


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第四十九話、ギルドへの報告


「ほらゴウ、入るぞ!」


 今日は町長に連れられて冒険者ギルドへ来ています。何だか久しぶりな気がして入り難いんだよなー。


 あっ、ロイさんとザックさんも一緒です。


 キィ


 建て付けの良い扉を開けて中へ。


「いらっしゃ…… あらゴウさん、久しぶり? ですね」


 ほら、ギルドの職員さんから早速言われてしまった。


「こんにちは…… あの、いきなりなんだけどギルドマスターいる?」

 

「ギルマスですか? いますけど、何の用ですか?」


 流石に何も聞いていない状態で合わせられないのか、用件を確認しようとする職員さんにイライラした町長が割り込んできた。

 

「いいから、ギルマスの所に案内してくれ!」

 

「えっ?! 町長さん?」


ビックリしている職員さんに手を合わせて謝りながら。

 

「ごめんね。ちょっと急用なんでお願い」


「はあ、後で怒られるのは嫌ですからね」


 と言って奥の部屋まで案内してくれた職員さん、後で何か差し入れするね。


コン、コン!

 

「ギルドマスター、お客様ですけど案内して良いですか?」


「客? そんな予定入ってたか?」


「いえ、急な用件とかで案内してくれって、ゴウさんと町長さんが来られてます」


「ゴウと町長? まあいいや通してくれ」


「どうぞ」

 

 職員さんがドアを開けてくれて中へと入る。

 

 ゾロゾロとギルマスの部屋へと入っていく四人、ギルマスは聞いていた二人と別に人がいた事に驚いている様子で。


「何だ、何だ、こんな大勢で、えっとそっちの二人は? 確か領都の……」


 最後まで言わないのは流石ギルマス。


「まあいい、座ってくれ」


 ギルマスが座っていた席を立ち。打ち合わせ用のテーブルの席に着くよう勧めてくれたけど、これ。どの順番で座ったら良い? 何かルールあるの?


「ほら、お前はコッチだ」


 俺が一人であたふたしていると、町長が自分の隣の席を教えてくれた。ありがとう。


 入り口から遠い方の椅子に領都から来た二人。お誕生日席がギルドマスター。自分たちは入り口側の椅子に座りました。ほー。


「失礼します」


 コト、コト……。


 職員さんが水の入ったカップを持ってきてくれました。


「あ、すみませんがカップをあと三つと、ホーンラビットの魔石を二つか三つ、在庫があったら持ってきて貰えますか? 代金は後で払いますから、町長が」


 町長からキッと睨まれた。

 

 職員さんがギルマスの方を見て確認すると、ギルマスも頷いて許可を出してくれる。


「では、少々お待ちください」


 パタン、と扉を閉めて職員さんが出ていく。


「で、何の用なんだ? この面子という事は何か面倒事か?」


 他の誰も話そうとしない…… やっぱり俺が話すのか。

 

「えっと、言葉で説明するのは難しいので、職員さんが戻るの待ってて良いですか?」


 無言の時間が経過する。


 コンコン、カチャ


 職員さんが戻ってきた。

 

「「「「ホッ」」」」


 ホラホラ、皆んなも緊張してたんじゃない!


「お待たせしました」

 

 三つのカップとトレーに載せられたホーンラビットの魔石が三つ。


「さて準備が出来たので、取り敢えずコレを見て貰えますか?」


 三つのカップと、魔石が置いてあったトレーを空けて、テーブルに並べ。魔石を手に取りギルマスに見せながらカップとトレーの上で「水」を出す。


 カップの上では溢れる事なく水が、トレーの上ではカラカラと音を出して透明な固形物が落ちた。


 俺はギルマスの反応を確かめながら。

 

「えっと、先ずは飲んでみて。固形のやつは触るだけでも良いです」


 ギルドマスターは一つ一つ確かめるようにカップの中を確認し水を口にする、氷も触ったあと口に入れていた。


 ギルマスからは声が出ない。説明が必要かな?


「これはですね」


「いやまて……」


 俺が喋ろうとした所でギルマスから待ったが掛かる。


 ギルマスが席を立ち、鍵の掛かった書棚から何か紙の束を取り出して持ってくる。


「ギルドでも…… 冒険者からの話で魔石についての何らかの情報が上がってくる事がある、ギルド会議でも何度も議題に上がったり消えたりしていたんだが」


 そう言って見せてくれた資料には……。

 

 やっぱり、長く多く使っている人達がいると気づく人もいるって事だよね。でも本格的に調べる人は居なかったと……。


「それでも、ここまでの話は聞いた事がないぞ」


 ギルマスからギロリと睨まれた。


「それについてだが」


 ずっと黙って聞いていたロイさんが話し始める。ギルマスもロイさん達の正体を知っているので何も言わないで聞き始めた。


「まず、我々もこの件を主への報告書で近々報告するつもりだ。それに合わせて冒険者ギルドからもギルド本部へ正式な確認事項として報告を上げて欲しい。ここはタイミングが重要だ、間違って他に漏れたりすれば魔石の価値が大幅に変わる可能性がある」

 

「商人共に知られると買い占めが起こる…… か」


 ロイさんとザックさんが頷く。


「とにかく、この件は秘密裏にまた早急に上へと報告し対応に当たるよう連絡するように」


 あれれ? なんだか大袈裟な…… また変な事に足を突っ込んでしまったのかな?


 いつも「異世界転生したおっさんが普通に生きる」を読んで頂きありがとうございます。

 明日の更新についてですが、明日は朝六時の更新になります。

 また、完結までの残り九話を十分起きで随時公開予定です。

 異世界転生したおっさんが普通に生きる、ラストまで是非お楽しみ下さい。

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