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第三十七話、準備はできた


 ガラス作りが成功し、気を良くしたオレは次へと進む。立ち止まったりしないのですよ!


 次はと言うと、グラスが出来たのですから当然次は中に注ぐものでしょう? お酒の増産です。


 エールの残りカスを集めてウイスキー、ワインの搾りカスからブランデー、言い方悪いけど手に入れ易いのはそれしかないのでね。ウイスキーは泥炭があればもっと美味しいの出来るのだけれど、この辺りには無さそうだしね。


 とにかく! 残りの冬の期間はせっせと蒸留して樽詰めしますよ。もちろん高濃度のアルコールもですよ……


 と、言う間に冬が明け。

 

  冬の間に織って貰った絹布が、献上しても問題ない程度に数が揃ったと聞き町長の家へ、ホントはセールさんと呼ぶべきだろうけど今更だしね。今まで通り町長と呼ばせてもらう事にした。


 町長の奥さん、この冬の間に頑張って三反もの絹布を織ってくれたんですよ、夏の合間でも織っていた一反があるので全部で四反! しかも最後の一反は素人目にも高級品と分かる一品、その艶としなやかさは他とはまるで違います。

 

「奥さん、コレって?」


「はい、一番いい繭だけ選んで経糸も贅沢に使った最高の絹布です。きっとお嬢様のドレスにしたとしても十分に使って頂ける品かと思います」

 

 町長は奥さんが織った絹布の束を目の前にして、目がお金になってます。


「これをどうするんだゴウ?」


 また領主の所に持って行って、一緒に伯爵様に献上してきてよ。


 

 ……



「ただいまー」


「「おかえりー」」

 

 愛するかわいい嫁のユユと娘のリリが満面の笑顔で出迎えてくれる。


テツは今日もアベルと一緒に狩に出ている。

 

「おとうさん、これ一応出来たんだけど」


 リリちゃんが出してきたのは、冬の間編んでいたベールだ


「おおー! 完成したのかいリリーちゃん!? 冬の間頑張っていたものな!」


 目の前にあるベールは、先ほど町長の奥さんが織った最高品質の絹布にも引けを取らない、一目で分かるほど細やかで手の込んだ品だった。


「凄いなー、もうお父さんが教える事無くなったね」


「これはお父さんにあげる、絹布と一緒に領主さんに渡しても良いよ」


「えっ!? いいの?、正直これ貰えると嬉しいけれど、リリちゃん頑張って作ってたから、ホントにいいの?」


 リリちゃんは頑張りを褒めて貰えたのが嬉しいのか、満面の笑みで。


「あのね、わたし聞いたの。お母さんとお父さんて結婚式挙げていないんでしょ? だから私が作ったベールをお母さんに付けて貰って結婚式して欲しいって思ったの、だからこれはその為の練習で編んだやつだから大丈夫! ホントにお母さんにあげるやつはもっと頑張って編むからね!」


 眩しすぎるリリちゃんの笑顔で目が潰れるかと思ったよ、てか溢れる涙で前がよく見えません。


 ユユさんも、リリちゃんを抱きしめて泣いております。


 オレのゴウスカウター(親バカMAX)では、リリちゃん可愛い、天才、良い子としか見えないよ!



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