第二十一話、技術の進歩は突然に
手押し式播種機を作りますよー
誰が?大工のジーンさんに決まっているじゃないですか、何だかんだジーンは器用と言うか、オレの拙い説明を理解して新しい道具を作り出してくれている。
オレのゴウスカウター(想像)によると、ジーンのステータスは(器用、閃き、道具開発、健康、ハゲ)に違いない。
「誰がハゲだ!」
あれ?何か言った?
「で、ココがぐるぐる回って中の種を同じ数ずつこの筒に送って土に差し込んで、後ろのコレで土を掛ける、んでさらに後ろのコレで慣らす感じ」どう?
「んー細えなあ!コレ全部出来なきゃダメか?」
「出来たら農家さんが助かる」
「んー……」
考えだしたジーンはほっといて、次は鍛冶屋のバルトさんの所だな。
あ、あと犂もヨロシク
……
鍛冶屋のバルトさんに作って貰うのは、備中鍬と猫車です!
「何だそりゃ?」
畑の土をより深く耕す道具と肥料とか運び易くなる車ですよ。
絵に描いて説明すると、ジーンの所に頼んだものより簡単そうで直ぐにあーだこうだと考えだした。
「持ち手の所はどうする?ジーンに頼むのか?」
「あっ!ジーンは忙しいから、他の大工の所にでも頼んでくれる?」
バルトさんはこちらを見ないまま手を振って答えてくれた。
次は、防具屋のギルさーん
「牛に付ける馬具?」
「そうそう馬車を引く馬に付けるような馬具の牛さん用、畑を耕す道具を牛さんに引っ張って貰う為に付けるんだけど出来る?」
「引っ張る道具は出来てるのか?」
「いや、今から作る」
「じゃあ出来てからだな」
「間に合うならそれでもいいや、じゃあヨロシクね」
「間に合うって、いつまでに必要なんだ?」
「できれば麦の畑を耕す時には欲しいから秋までかな」
「できるか!!」
「十個くらい欲しいだけだけど、無理かな?」
「無理!、どうしても作って欲しけりゃ先に金持ってこい!」
はあー、やっぱりそこかあ。
仕方ない、町長のとこに集りに行こう。
「町長〜」
お金ちょうだい!
大工のジーン
大工、金物屋、何でも出来る頼りになる友人。
ゴウの思いつきを、何だかんだで形にしてくれる強い味方。ゴウが知識担当ならジーンは技術担当?
鍛冶屋のバルトさん
鍛冶屋、ゴウより年上で町長の相談役の一人でもある。
随分前に町にフラッとやってきて鍛冶屋になっていた。過去は不明、噂によると王都でも有名な鍛治氏だったとか?
防具屋のギルさん
防具屋、革職人
ロマン好き、ゴウの持って来る新しい素材の話を聞くとワクワクする。
壁盾のような大きな物大好き。
何だかんだ、ゴウの味方になってくれる頼もしい友人達です。
次回は、アベルとテツの成長した姿です。




