第十七話、ロバちゃん
「町長〜」
「おうゴウか、どうした」
いつの間にか町長とも気軽に挨拶できる仲になってしまっているな。
「ああ、またロバちゃんと荷車をお借りしたくて」
「またいつものか、今日は何も予定はないから勝手に連れて行っていいぞ」
「ありがとう」
「そろそろゴウの所もロバくらい飼ったらどうだ」
「そうだなぁ、ロバちゃん可愛いから飼いたいのは山々なんだけどウチじゃまだ世話するのが難しい気もするし、今やってるコレもぼちぼち仕事してと回せるようになるはずだからまだいいかな」
「あれを集める事も仕事になるのか?」
「そうだよ町長、結構いろいろ使える物なのだから」
町長に挨拶した後、裏庭にある馬屋に向かう
「ロバちゃん、元気か〜今日もよろしく頼むよ」
「ぶもぉ」
なんか聞いた事ある鳴き声……?
何度も一緒に出掛けている事もあり、町長のとこのロバちゃんはオレにも懐いてくれてとても可愛い。
さて、今日も一踏ん張りよろしくね。
……
ガッ、ガッ、ガッ
ザ、ザザザザー
ギュッ「と、コレくらいかな?」
持ってきた石を袋に詰め終わって一息いれる。
ロバちゃんは端の方で草を喰んでいる。
よきよき
ここは以前ホーンラビットに出会った場所、あれから少し切り開いて休憩所かつ山から採取してきた物の一時保管場所にしている。
この場所から少し山側に入った所で崖崩れして山肌が出ている場所を見つけ、そこで見慣れた景色を見た。そう真っ白な地盤、石灰岩だ。
岩石を掘り出す場所までは枝を払って歩ける様にはしているが荷車が通せる程までは広くない。
そこでロバちゃんに頑張って貰う、岩場で採掘した石灰石をカゴに入れてロバちゃんに背負って貰いこの場所まで運ぶ、それを袋に詰め替えてから荷車に載せて町まで運ぶのだ。
さて、これでどのくらい消石灰が出来るかな。
あと石灰モルタルも作ってウチの土間をキレイにしたい。
石灰石を集めていたのですね。これで色々なモノが作れます。
次回は、ノーフォーク農法を皆に説明するのですが……。




