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4話 ハンター誕生

颯爽とドライデンへと向けて駆けだした一行だが、問題が発生していた。

 原っぱで誰かが倒れているのだ。「誰が生存確認しに行くか?」と問題になり、じゃんけんをして負けたメリラが様子を見に行くことになった。引き腰の身体で「ブルブル」と震わせながら長い枝で「ツンツン」と一回触れてみたが反応がないので、もう一度強めに「ツンツンッ」と揺らすと、「ギィニャァァン!」と大砲を食らったかのような声と共に空中に2mほど身体が浮き上がって落ちた。その猫耳少女は長めの深呼吸を「1つ…2つ…3つ」と入れてから「何にゃのだぁぁ!!」と声を放った。メリラは、キョトンとした表情を浮かべたが、すぐに有馬のほうに向かって「生きてたよ!」とはしゃいでいた。僕らは「ははは」と思いのこもっていない笑いをしながら、近づいた。すると猫耳少女は「失礼な輩にゃ」とプンスカとご立腹の様子で言っている。僕らはそれぞれ謝罪をした。

その後、なぜ倒れていたか聞いてみたら、散歩の途中で気持ち良さそうだったから横になって眠っていたらしい……「にしてはピクリとも動かなすぎだろっ!」と有馬は1つツッコミを挟んだ。猫耳少女は「ノリの良いボーイにゃ」と頭をこれでもかって程ポンポンされた。それから、コミカルに「あ、わたしクリットだよぉ!よろしくにゃ!」と自己紹介してくれた。ちなみに「~にゃ」と語尾につくのは癖みたいなもののようだ。僕らも自己紹介を軽くして、折角なので休憩と腹ごしらえをする事にした。クリットは尻尾をフリフリさせながらバスケットに入っているサンドイッチを美味しそうに食べていた。

有馬はクリットに「この後はどこに向かう予定なのかい?」と聞いてみた。

クリットはクエスト達成を知らせにドライデンに帰る途中だったという。有馬達もドライデンに向かっているところだったことを話した。クリットは「ごちそうになったから、道案内したげる!」と言った。それに僕らは承諾した。

ドライデンへ向かう途中、ニーナはどんな依頼をこなしたのか聞いてみた。クリットは花の採取依頼だと話してくれた。その花は夜になるとクリスタルのように青く花開いて輝くのだそう。メリラとニーナはとても響いたようで「ステキ!」と言っていたが、有馬には刺さらなかったようで「スン」とした無表情で歩みを進めていた。川の流れる橋を渡ったり、陽の射している長い空洞を進んだりしているうちに、ギルドのある町「ドライデン」に着いたのである。

町に繋がる橋にはたくさんの人の往来があった。こんなにも人を感じるのは久しぶりな感覚だった。メリラはたくさんの人の列に驚きを隠せないようで、顔の原型をとどめないほどに老けた顔になっていた。そのまま町の城壁をくぐると活気のあふれる街並みが溢れていた。

有馬とメリラは目をキラキラさせていた。ニーナは何度か訪れた機会があったようだが、前よりも活気づいていて驚いていた。クリットは「ギルドはこっちだにゃ!」と元気よく僕らを呼び込んだ。有馬達はクリットの後ろをついていくと大きなレンガ造りの家が建っていた。ドアを開くと中は酒をあおるお客さんやら、武器を持った人からドワーフやら様々な種族がいた。そのまま歩いて、受付に向かうと受付嬢のレミさんが「いかがしましたか?」尋ねてきた。クリットは「依頼の報告に来たにゃ!」と言った後に、「連れさんのギルド登録をおねがいにゃ~」と説明してくれた。すると、レミさんは「かしこまりました。」と笑顔で答えて、クリットはレミさんの案内で隣の窓口に案内した。レミさんはこちらに向き直って、まずは「ギルド登録の手続きのためにこちらをお書きください」と用紙を渡された。有馬とメリラはレミさんとニーナに説明を受けながら、書き終えた。レミさんは用紙を確認すると、有馬とメリラにギルド登録カードを送った。まず最初に登録したハンターさんはブロンズ等級からスタートになります。とレミさんは話した。

 ランクは、ブロンズ~シルバー~ゴールド~プラチナ~オリハルコンなどと続くようです。ちなみにニーナはゴールド等級だそう。僕らはギルド登録を済ませた後、掲示板に貼ってあるチラシをみていた。依頼書には条件が書かれている物もあった。ニーナは「まずはこれだな!」と薬草採集の依頼をだした。有馬とメリラは「討伐が良いよぉ~」とごねたが、ニーナは「最初はこれなの!」と凄みの強い表情をしながら言われたので、自然と二人は二回頷いていた。そんなこんなあって、報告を終えて銭を抱えたクリットが駆け寄ってきた。「みんなぁ一杯飲もうよぉ!」と誘われたのでギルド内にある酒場でチーズをつまみに飲むことにした。みんなで飲んでいると横から屈強な男が話してきた。「新入りかい?」有馬は男の巨漢に圧倒されてしゃべれずにいたが、男は「まずは採取クエストをするといいよ」と言った。なぜなら、一回目の依頼で見栄を張って討伐クエストに出ると恐怖ばかり目がいってハンターとしての心をくじかれてしまう事が多いのだそうです。それを聞いた有馬は「なるほど!」と納得し、「だからニーナは採取クエストにこだわったんだな。」と思った。それを言った男は、「楽しめよ」と捨て台詞を吐きながら男はギルドから去っていった。僕らは酒場で盛り上がったのち、宿屋を探しにギルドを出た。僕らは、クリットが薦めてくれた宿屋に向かうことにした。宿屋ではギルドカードを持っていると割引してくれるそうだ。クリットが勢いよくドアを開けると猫耳の奥様が「クリットおかえり」と声を掛けた。この宿屋はクリットの両親が経営しているそうだ。お友達も一緒とは珍しいね…とクリットの母親パーニャはつぶやいた。「部屋を用意して」とクリットは頼んだ。するとパーニャは2人部屋を2室貸してくれた。部屋はメリラとニーナ、有馬は一人で使うことになったのだが、有馬は部屋に入った途端に後ろから「わっ!!!」とクリットが驚かしてきたので、有馬は腰を抜かして後ろを振り返った。あまりに良い反応をされたのでクリットは「驚きすぎだニャー!」と大爆笑していた。有馬は「なんのようだ?」と少し不機嫌な感じできいた。すると「私も一緒の部屋で寝る」と言い出した。有馬は少しためらったが、ベッドは二つあるので渋々了承した。クリットは有馬について聞きたいことが沢山あったみたいでお互い、ベッドの上に乗りながらクリットの弾丸のような質問攻めがはじまった。どこからきたの?好きな食べ物は?好きな子はいるの?と色々と聞いてきたので、有馬はそれっぽく答えた。しばらくするとクリットは静かになった。

「やっと眠ったかぁ」と有馬はへとへとになりながら、ベッドに横になった。

やっと解放された質問攻めの後での部屋の静けさが心地よく有馬はすぐに眠りに落ちた。一方、メリラとニーナは2人ベッドをくっつけて仲良く眠ったのであった。

 そして翌日、再びギルドに伺い受付嬢のレミさんに薬草採取の依頼書を受けることを話した。するとレミさんは「かしこまりました!」と元気よく返事をした後に「お気をつけて行ってらっしゃいませ!」と言った。僕らは依頼場所である近くの集落に向かうことになった。有馬とメリラ初の依頼クエストに心おどらせた。集落に着くと緑豊かで水路も流れていた。村の中心には噴水があり、その近くで子供たちが楽しくみずあそびをしている。依頼書に書かれた家を訪ねてみると人間種のお嬢さんが出迎えてくれた。依頼を説明すると、「来てくださってありがとうございます!」と深々とお辞儀をした。彼女はレイナと名乗った。レイナさんは家へ招いて、お茶を出してくれた。レイナさんの旦那さんが病で倒れてしまったらしい。なので、近くの森から薬草を取ってきてほしいのだそう。それを聞いたメリラは「必ず取って帰ります!」と言って颯爽と家を飛び出したのだった。それに続いて有馬がメリラについて行こうとしたとき、レイナさんは「森には危険な魔物もいますのでどうか気を付けて」と言葉を残した。有馬は「はい!ありがとうございます行ってきます!」と短く伝えて家を後にした。

お読みいただきありがとうございました!

次回は有馬とメリラの初クエストと、クリットとニーナの共同クエストの模様を書く予定です。

次回も楽しみに待っていただけると幸いです。

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