2話 森の異変
騎士ニーナがガナンとユビを追い払った後、メリラは家へとニーナを案内した。
その日の夕食で、ニーナがメンデスの村に来た理由を話してくれた。
ニーナはこの村の奥の森林が荒らされ無残な状態になっているとギルドで聞いてこの依頼を受けたのだそう。
メリラのおじいさんジゲンは、ここらの森林はドリアード達が住んでいると聞いてはいたが最近、森の様子がおかしいと感じていたそうだ。
有馬は「そんな危ない場所に一人で行くのは危険だ!」と突発的に口に出た。
そして、「俺も一緒に行く!」と宣言した。
しかしニーナは次のように述べた。
「狩りは遊びじゃないのよ!亡くなってしまうことだってあるのよ!」と………
その場が数秒静まり返った。
有馬は口を開いた。「1人より2人のほうが助け合える」と。
それを聞いていた、メリラも「私も力になりたいです!」と力強い声で訴えた。
ニーナはその温かい言葉を聞いて少し考えながらも「うん」とうなずくのだった。
ジゲンは心配だったのか、メリラに向かって「勝手にせぇー!」と強くあたってしまっていた。メリラは涙を浮かべながら自室に逃げてしまった。
ニーナは「私がメリラちゃんと話してくる!」と言うので、僕はジゲンとお話をすることにした。
ジゲンのおじいさんは「強く当たりすぎたのぅ」とソファーに腰を掛けながら、ほそぼそにつぶやくのだった。有馬は、「娘さんが危険な場所についていくのだから心配なのはあたりまえです。」と励ました。
すると、ジゲンは家族の話を語り始めた。
3年前までジゲンさんとメリラ、そしてお兄さんのバンジさんと3人で暮らしてたそうだ。しかし、突然バンジさんが家族の前から居なくなったそうだ。その真相は未だに闇の中みたいだ。だから、メリラが傷つくのが怖くて当たってしまったのだそう。有馬は「僕がメリラさんを守ってみせます!」とソファーから身を乗り出しながら言い放った。
ジゲンは有馬の突然の男らしさに少し驚いた表情を見せたが、
「そうかいな!」と優しく微笑むのであった。
一方、ニーナとメリラのほうは……部屋の中で泣きじゃくるメリラを「うんうん」とニーナはドアの前で受け身に徹していた。しばらくして、メリラは口を開いた。あのね、わたし冒険がしてみたいと思っていたの…と悩みを打ち明けた。だけれど、おじいちゃんを一人にするのがかわいそうで、お兄ちゃんが居なくなってから無理して明るく接していると感じるの…だから自分のワガママを通していいのか悩んでいるの!と話してくれた。
ニーナは少しの間「う~ん」とうなりながら考えをまとめて話し始めた。
わたしは元々ハンターになるのが夢ではなかったの。だけれど、自分の住んでいる村が魔物に襲われて「もう無理だ!」と思った瞬間、剣を持ったハンターさんに助けて貰ったの!その時に思ったんです。安心を与えてくれるハンターさんに絶対になってやるんだ!と。それからはハンターになる事しかみえてなかったのよ。だから、自分を信じて今も突き進んでいるんだ!とニーナは話した。メリラは鼻声で「私もニーナちゃんみたいに進めるのかな?」と」聞いた
ニーナは「メリラちゃんも自分を信じて進んでいいんだよ」とふんわりした
口調で肯定した。メリラは部屋越しに「ニーナちゃん、ありがとう」とたどたどしい声で感謝したのであった。
そして次の日の朝、有馬達3人は依頼のあった森へと調査へ向かった。
昨日のことは無かったかのように上機嫌なメリラに有馬は安堵した表情をみせた。それを横目でみていたニーナは何も語らずにニヤニヤとこちらを見ていたので恥ずかしくなって1枚右手で壁を作り反対側の空を見つめていた。
途中でスライムと対峙したが難なく倒していった。
この世界では倒した、または降伏させた相手から確率でアイテムを入手できるのだそう。もちろん、特殊な場合もありクエストボスや依頼モンスターの場合は確定で手に入る報酬もあるみたいです。という説明はさておき…………
依頼のあったドリアード達が住んでいる森林「リーフフォレスト」に着いたので入る前にご飯休息を取ることにした。
今日のお昼料理はチーズサンドとアイスのミルクティーだった。
僕らは高原の巨岩に腰掛けながら、作戦会議をはじめた………
30分程休息を取ったのちに、僕らはリーフフォレストに乗り出すのだった。
作戦会議の結果、フォーメーションはニーナが前線、有馬が真ん中に、
メリラが最後尾を担当することに決まった。
森の奥まで進んでいくと黒い瘴気と共に洞穴のようなダンジョンが現れた。
洞窟の手前で倒れているドリアードを偶然発見した。
意識はあるようで、「挫けてたまるか!」と覇気のない声を発しながら、
うつ伏せの状態で体をモゾモゾさせていた。
有馬は「助けたら後でめんどくさそう」という黒い瘴気のようなオーラを放ったが、その前にはニーナが倒れていたドリアードに話しかけていた。
ニーナは「ここで何があったんですか?」と聞くと
ドリアードはゴブリン達に森を占拠されてドリアード達は森の脇に追いやられた。弱々しい声で話した。
まずは、けがを治すために!と情報集めも兼ねてドリアード達の住んでいる集落に案内してもらった。集落に到着して怪我をしていたドリアードのマキバは治療を受けながら僕らに感謝を述べて、それからすぐにゴブリン達がやってきた経緯を話した。あれは、3週間前の事です。僕らは森樹の周りで祈りを捧げていた日のこと…突然「ドゴォォォォン!!」という音が聞こえて森の中心で聞こえて駆け付けた時には大穴が開いていてゴブリン達の軍勢が襲ってきたのです。上空で2つの影が指揮を執っていたそうだ。おそらく、ガナンとユビである……その後は息を吞む間もなく、森の中心部の7割近くがすでに制圧されてしまったそうだ。親玉のゴブリンオーガを倒さないと森に平和が来ないそうです。泣きながら地面を叩くマキバをみて、メリラは「助けてあげようよ!」と僕ら二人に言い放った。僕らは、「そうだな!」と言った。
マキバに有馬は「僕らも協力させてくれ!」と頼んでみたら、「ありがとう」と喜んでくれた。
そして僕らとドリアード達との作戦会議が始まるのだった。
日は沈みだしたのでドリアード達の集落でお世話になる事になった。
あれこれあって、気づけば作戦会議から3日が経っていた。
その日の夜、僕らは明日の朝に作戦を決行することをドリアード達と決めた。
マキバは、「やっと僕らの森を取り戻せる!」と涙を浮かべた。
有馬は「まだ何が起きるかわからない!だが明日の成功を信じよう!」とマキバにエールを送った。横に座っていたメリラとニーナも頷いて、「そうだね」と言った。
そして、4日目の朝になった。僕らとドリアード達は洞穴の前で作戦の合図を待っていた。すると、洞穴からマキバが飛び出してきて合図を出した。
「今だ!」マキバは大きな声をあげてうつ伏せに倒れこんだ。
その瞬間、皆で光鉱石を洞穴に投げ入れた。
この石は衝撃を与えると数秒、眼が眩むほどの光を周囲にまき散らすそうだ。
その光にあてられたゴブリン達は目を押さえて悶えている。
その隙に子分ゴブリン達はドリアード達に任せて、僕ら三人とマキバは最深部へ向かうのでした。
その先に進んでいくと、二体のホブゴブリンが道を塞いでいた。
僕らは光鉱石をホブゴブリン達に命中させすばやくタコ殴りにした。
その後も下っ端たちも襲ってくるので有馬のレベルも上がっていき、5m程の門の前に着くころには有馬のレベルは10になっていた。スキルというものを割り振れるようになっていたが、知識がないのでとりあえず物理攻撃UPに振っていた。
そして、僕らは門を開いて次の激闘に身構えるのであった…………
お読みいただきありがとうございました。
今回は冒険回でしたが、次回はバチバチのバトル回をお届けしていきます。
次回も楽しみに待っていただけると幸いです。




