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転生しても王族だけはやめとけ

作者: 四記玲音

転生。


厨二病患者なら1度は夢見るイベントである。


例えそれが呼び出されたものだろうと、繋がった何かを通ってだろうと、神様のうっかりだろうと、死の代価だろうと。


違う次元、異なる価値観、慣れぬ環境。


そんな世界に望もうが望まないが放り出されるのが転生イベントだ。


新たに生を受けるもの。


死に伏した者に憑依するもの。


ありのままでいるもの。


肉体の最盛期でいるもの。


これも様々である。


しかし転生イベントで大抵の人は意識が覚醒した段階でその世界で生きていく為の力を持っている場合がほとんどである。


それは超常的なもので力だったり、才能だったり、知識だったり、これも様々である。


そしてその力は必ずトラブルに巻き込まれる原因になり、世界を治めるものの目につく結果になる。


つまりなんの後ろ盾のない者にスローライフなど到底無理な話である。


結果貴族や王族との繋がりは必然であり、いずれはそのシステムに組み込まれていく結果となる。


しかし、声を大にして言いたい。


王族だけはやめとけと。


これはその世界に生まれた者だろうと、召喚された者だろうと変わらない。


王族とは当然その国を治め、導き、発展させていく国の主である。


幼少から貴族や民の規範であるよう、優れていなければならない。


体力、知識、作法。


膨大な情報を生まれたその瞬間からその頭と体に叩き込んでいき、ようやく国を導く事ができるのだ。


当然王族の伴侶となる者も、同様の教育を受けようやくパートナーとなる資格を得ることになる。


つまり、ぽっと出の物がシンデレラストーリーのように王族と結婚して幸せになりました。


などありえない訳である。


そしてその死にものぐるいの努力の結果、王太子や王女と結婚出来たとしても、しばらくは幸せな夫婦生活などないだろう。


なぜなら国を回していく準備に奔走させられるからだ。


王族は国外との繋がりを強固にし、国全体を掌握する必要がある。


そのサポートの為に伴侶になった者は貴族や国内の情勢を掌握する必要がある。


当然人の力を借りるだろうが、その人材を掌握するのは結局王太子や、伴侶になるわけで国内外から集まる大量の情報を手分けして捌かなければならないのである。


圧倒的に時間も人手も足りない故に2人だけの時間などほぼないだろう。


では妾や燕になればよいと思うだろう。


事王城内において、妾や燕に人権はない。


なぜなら妾や燕は王族の血を絶やさぬ為の道具であり、王族ではないからだ。


当然衣食住は提供されるであろうが、そこには贅沢など存在せずただ生かされるだけである。


ハッキリ言えば、王城内での妾や燕の地位は奴隷以外である。


奴隷は労働を対価に主に仕えるいわば雇用である。


しかし妾や燕は子をなすこと以外にやる事はなく、さながら家畜と変わらぬ生活となるだろう。


そしてその生活も伴侶との間に子ができるまでの僅かな時間しか無いのである。


その頃には第2、第3の伴侶が現れ、妾や燕の居場所は無くなり残るのは旬が過ぎた肉体と生きるだけなら困らない僅かなお金だけであろう。


さて、ではここで妾や燕と、第2、第3の伴侶の違いについて説明しよう。


結論から言えば、国政に携われるだけの教養があるかである。


どうしても国政は王族でないと処理できないものがある。


外交なんかもそうだが肉体は1つしかないため限界がある。


故にそれができる者を王族に迎え入れ、負荷を分散する。


そのためには盤石な教養が必要であり、信頼できる関係が必要である。


つまり伴侶も、仕事をしているのである。


ただ惰眠にふけり、国庫を貪るような者が伴侶になれる訳がないのである。



さて、ここまで長々と解説してきたが、つまり王族になる為には生まれた時点からの努力や知識が必要で、それを転生して王族になる事が決定した時点で一刻も早く頭に叩き込まなければいけない。


部下に任せればよいなど甘い考えでいればそれはただの傀儡になるだけである。


ならば生まれ変われた瞬間から頑張ればよい?


わざわざ国を背負い様々なしがらみに自ら飛び込むならどうぞご自由に。


自分は警告しました。


では改めて。



転生しても王族だけはやめとけ


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