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90. 急所狙い

 90. 急所狙い




 オレは咲夜さんと共に咲夜さんの行きつけの洋服屋に来ている。店長の真凛さんは咲夜さんのことを理解しているみたいで、なんか嬉しくなった。


「はい。採寸終了。なんかあまり成長してなかったわね咲夜ちゃん?あ、でも胸が……」


「言わなくていいです!真凛さん!」


「そう?それで浴衣だよね?うーんと……どれがいいかな?」


「あの真凛さん。私はオレンジとか……着てみようかなと思って……」


 咲夜さんはそう言いながら、チラチラとオレの方を見てくる。可愛い。真凛さんはそれを聞いて一瞬固まった。え?なんで?


「そっか……。うん、わかったよ」


 なにか考え込むように真凛さんは咲夜さんを見ていた。そしてその後すぐに笑顔になり、浴衣を選び始めた。


「じゃあこれなんてどう?お花のデザインが可愛くて、咲夜ちゃんによく似合うと思うんだけど」


「へぇ〜可愛いですね!ちょっと試着してもいいですか?」


「どうぞどうぞご自由に」


 すると咲夜さんは嬉しそうにして、試着室に行く。オレは真凛さんとその場に残される。気まずい……。


「ねぇ颯太君……だったっけ?」


「あっはい」


「咲夜ちゃんは君の事が本当に好きなんだね。まさかさ……咲夜ちゃんがオレンジを選ぶとは思わなかったよ」


「どういう事ですか?」


「私もさ昔から暖色系の服をすすめてたの。でも咲夜ちゃんは『クール系のモブキャラ生徒Aは青か黒だから。ごめんなさい真凛さん』って言って、着てくれた試しがない。それなのに今日は迷わずオレンジを選んだ。多分だけど……君は特別な存在なんだと思うよ?」


 そんな話をしているうちに、咲夜さんが試着室のカーテンを開ける。そこにはいつもとは違う咲夜さんがいた。


「ど、どうかしら?」


 恥ずかしそうに頬を赤く染める姿はとても愛らしい。それにとても似合っていた。まるでオレンジ色の花のように綺麗で美しい。


「うん。可愛いよ咲夜ちゃん。颯太君もそう思うでしょ?」


「はい。咲夜さん可愛いよ」


「!?……あっありがとう……でも颯太君……可愛いは恥ずかしいわ。もしかして急所狙いのスキルかしら?」


 真凛さんはニヤニヤしながらこっちを見る。やめてください。その目線。すごくむず痒くなるんですけど!?


「じゃあこれにする?買っていく?」


「はい。お願いします。」


 咲夜さんはその浴衣を購入し、店を後にした。


「ふぅ〜これで終わりっと。ありがとね咲夜ちゃん。また来てね〜」


「はい。また来ます」


 そう言うと咲夜さんは嬉しそうに店を出て行く。すると真凛さんが話しかけてきた。


「ねぇ颯太君……」


「はい?なんでしょうか?」


「咲夜ちゃんのこと幸せにしてあげてね?あの子……かなり不器用だからさ。あの子のことよろしく頼むよ?それとさっきの話……咲夜ちゃんには内緒だよ?」


「わかりました。では失礼します」


 オレは真凛さんの店を後にして、咲夜さんのあとをついていく。この人は咲夜さんのお姉さんみたいな存在なのかもな。そしてオレは真凛さんの言っていた『特別な存在』に慣れるように頑張らないとと思うのだった。

『面白い!』

『続きが気になるな』


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