9. モブキャラ
9. モブキャラ
今日は休日。咲夜さんと同居して1週間がたつ。なんか意外に仲良くなれている気がする。今も一緒にお昼を食べることにしたからな。今日はオレが勇気を出して誘った。オレもやるときはやるんだ。咲夜さんの部屋の前に1時間くらいいたけどさ……。
「ピザは美味しいですね」
「ああ。そうだな」
咲夜さんはピザを頬張る。なんか小動物みたいで可愛い。癒される。
「ん? どうしたの?」
「いえ、なんでもない……」
見惚れていたのがバレたかと思った。危なかったぜ。というか本当に学校とは別人だよな……美少女っていうのは変わらないけど。
「あの咲夜さん?聞いてもいいか?」
「どうぞ」
「学校と全然イメージが違うんだけどさ。なんでこんなに違うんだ?」
咲夜さんは口元についたチーズをとりながら答えてくれた。
「そりゃそうよ。学校では『柊咲夜』としては行動してないから。魔王の城だもの、欺くために私はただのモブキャラ生徒Aを演じているのよ」
それはただの裏表がある性格なだけのような気がするけどなぁ……。しかもクール系美少女とか周りから言われて、全然モブ感ないし。
「そういう霧ヶ谷君も学校とは違うと思うわよ?もちろん魔王を欺くために生徒Dを演じてるのよね?私には分かるわ」
おい。BとCがいなくなったんだが?ということは素の咲夜さんはプライベートの咲夜さんということか。まぁ学校でこのキャラならヤバいよな。
「オレは別に演じているつもりはないんだけど……」
「えっそうなの?じゃあそのままでいいじゃない。無理しなくて。それだけ目立たないならあなたにはアサシンの才能があるんじゃない?ジョブ変えたら?絶対その方がいいわ!」
どうやったらジョブが変えられるのか謎だし、オレの今のジョブは咲夜さんの中でなんなのか聞きたいんだけど?
「まぁ無理強いはよくないわね。うん!霧ヶ谷君はそれでいいのよ!ね?」
なんかよくわからないけど、納得してくれたようだ。しかし、咲夜さんの笑顔は眩しい。なんだこれ。これが恋なのか?今まで女の子と付き合ったことがないから分からない。でも多分これは恋だろう。今すぐに告白したい衝動に駆られるがここは我慢だ。まずは友達として仲を深めようじゃないか。
「霧ヶ谷君。ポーション飲む?」
「いやオレは大丈夫です」
やっぱり咲夜さんはよく分からない。でも優しい人なのは間違いないだろう。これからもっと仲良くなって絶対恋人になりたい!そんなことを考えながら、昼食を食べ終えたのであった。
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