表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

45/105

45. 迷い

 45. 迷い




 来る翌日。オレにまだ迷いはある。しかしそうも言ってられない。大きく深呼吸をして部屋を出ると、そこには準備の終えた咲夜さんがいた。


「おはよう霧ヶ谷君」


「おはよう咲夜さん」


 咲夜さんの格好は黒のワンピースに白のレースをあしらったものだった。胸元にはシルバーのネックレスが輝いている。


「どう?似合ってるかしら?」


「……えっと」


 率直に言うなら似合いすぎている。普段から大人っぽいと思っていたが、今の姿を見るとその言葉しか思い浮かばない。この前の清楚な感じもいいけど、こっちも可愛い。


「似合っていると思うよ」


「思う?」


「あっいやその……すっごく綺麗だよ!」


 思わず声を荒げてしまう。恥ずかしいなもう!でも咲夜さんは嬉しそうに微笑んでいる。


「ふふ。及第点だけど、まあいいわ。さあ行きましょう」


「ああ」


 咲夜さんと偽りの恋人を演じることになっているが、待ち合わせの場所には別々に行く。極力バレないようにはしていきたい。それに今日は休日で人も多いだろうから、一緒にいたらすぐに噂になってしまうかもしれない。それは避けたいところだ。


 玄関まで来たところで咲夜さんが立ち止まる。


「霧ヶ谷君。面倒なこと頼んじゃってごめんなさい。昨日は嬉しくて1人で騒いでいたけど、よく考えたら押し付けてたと思うから。その……イヤなら断ってもいいよ?」


「え?」


 そう真面目な顔をしてオレのことを見つめる咲夜さん。その顔は申し訳ないという気持ちと不安が伝わってくるようだった。そんなことを思っていたのか……。


 確かに昨日のはいきなりすぎたとは思ったが、別に嫌ではなかったしオレにとっても嬉しいことだから……。


『咲夜さんが好きです。オレと付き合ってください』


 ……それを口に出す勇気はまだオレにはない。弱い男だと思う。情けないとも思う。


「……いいんだよ咲夜さん。大丈夫だから気にすんなよ」


「本当に?無理してない?」


「うん。全然平気だ。」


「そっか……よかった……」


 安堵したように息をつく咲夜さん。やっぱり優しいんだな……。オレなんかのためにここまでしてくれるなんて。そんな感情と同時に咲夜さんのために何とかしてあげたいと改めて覚悟を決めるのだった。

『面白い!』

『続きが気になるな』


そう思ったら広告の下の⭐に評価をお願いします。面白くなければ⭐1つ、普通なら⭐3つ、面白ければ⭐5つ、正直な気持ちでいいのでご協力お願いします。


あとブックマークもよろしければお願いします(。・_・。)ノ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ