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32. グングニル

 32. グングニル




 今日は校内清掃の日。正直面倒くさいが、サボるわけにもいかない。


「おーい、みんな集まって!」


 オレ達が校庭に集まると、学級委員の『城山茜』がメガホンで叫んだ。そして、これからやる作業の内容を説明する。


「私たちのクラスは正門の掃除だからね! じゃあ、ちゃっちゃと始めよっか!男子どもサボらないでよ?ほらほら」


 そう言って彼女はテキパキと指示を出し始めた。こういう時は頼りになるな。


 彼女は誰とでも仲良く、いつも笑顔を絶やさない。そんな感じの女子だ。オレはあまり話したことないけど……。


 オレ達男子生徒は箒を持ちながら黙々と掃き始める。しかし……


「おい、お前ゴミ捨て行ってこいよ」


「えぇ~めんどくさいなぁ」


「じゃあお前一人でやってろよ」


 こんな感じですぐに喧嘩が始まる。まぁこれもいつもの事だけどさ……。ほんっとバカばっかりだよなこいつらは。


「はいはい、ストップストップ!」


 また茜が止めに入る。まったく世話焼きもいいところだ。


「もう!仕方ないわね。ごめんゴミは霧ヶ谷君が捨ててきてくれる?他の男子はさっさと掃除!」


「あぁわかった」


 オレは言われた通りゴミ袋を持って焼却炉へと向かう。この学校には焼却炉は二つあり、一つは火を使う用、もう一つは燃やすものを入れる用のものだ。


「よいしょっと……」


 ゴミを中に入れ、また正門に戻ろうとすると途中で掃除用具入れの前でなにやら顎に手を置いて考え込む咲夜さんを見つける。


 どうかしたのか?でも学校じゃ話かけられないしな……。うぅん……どうしようか。オレはそのままトイレに行き、咲夜さんに『掃除用具入れの前でどうした?何かあったのか?』とメッセージを送ることにした。するとすぐ返信が来た。


『使ってみたい気持ちはあるんだけど、まだ私には早いと思って。どう思う?』


 何が?また意味不明なんだが。とも思ったがそれよりも彼女がオレを頼ってくれていると思うと嬉しかった。なのでオレはすぐにこう返した。


『別にいいんじゃない?咲夜さんが使いたいなら使えば』


 我ながら良いことを言った気がする。するとまたすぐに返事が来る。


『そっか、そうよね!ありがとう。私のような初心者はスピアとかせいぜいハルバードかと思ってたけど、霧ヶ谷君がそう言ってくれるなら、うまく扱えるか分からないけどグングニルを使ってみるわ!』


 は?何を言っているんだろう……。スピア?ハルバード?しかもグングニルってなんか確かすごい槍の名前だったような……。


 オレは謎を抱えたまま正門に戻ると、そこには身の丈に合わない長い竹箒で、正門を一生懸命掃除している咲夜さんの姿を見かけた。


 ……箒の事だったのね。なんか安易に答えてしまった罪悪感もあるけど、掃除をしている咲夜さんがすごく微笑ましく見えるのだった。

『面白い!』

『続きが気になるな』


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