26. オーバーキル
26. オーバーキル
そして次の日。咲夜さんは風邪が治って元気になったようだ。きちんと看病できたかはわからないけど、好きな人のために色々行動できた自分に驚いている。
学校では咲夜さんはいつも通りモブキャラ生徒Aを演じている。オレはそんな彼女を見つめているだけのいつもの日常。でもそれでいいんだと思う。
そしていつものように昼休みがやってくる。
「おい。霧ヶ谷。体調復活したのか?」
「ああ。もう大丈夫。風邪だった」
オレは咲夜さんを看病するために仮病で休んだからな。まあそんなことは口が裂けても言えないわけだが……。
「いや実は柊さんも昨日休んだんだよ。」
「そっそうなの?へー。最近流行ってるからな。冬馬も気を付けろよ」
「……怪しいと思ってるんだオレは。霧ヶ谷、お前柊さんとは何もないよな?」
「何もないぞ。お前やめろよ、そうやって面倒なこと言うのは。オレまで巻き込むなよ」
「オレは真実が知りたいだけだ!お前じゃあてにならん。オレが直接柊さんに聞いてみる!」
冬馬が勢いよく立ち上がり咲夜さんの席の前に行く。余計なことしなくていいんだけどなぁ。咲夜さんに迷惑がかかるだろうが……。
「あのさ柊さん。昨日休んだけど、霧ヶ谷と一緒にいなかったよね?」
「おい!お前何言って……」
またこの人ですか?見たいな目をして冬馬を睨む咲夜さん。しかし今回は予想しない答えが返ってくる。
「……はぁ。……だとしたら何なんですか?」
「え?」
はい?咲夜さん?あなた何を言っているんですか?今なんて言いました?もしかしてキレちゃいました?その咲夜さんの発言を聞いてクラス中がざわつき始める。そしてオレに一斉に殺気が集まる。
「マジ!?それ本当!?」
「嘘です」
「え?」
「……ただの生理痛です。これで満足ですか佐藤君?」
そう言って咲夜さんは教室を出て行った。オレはその後姿を見ながら呆然としているしかなかった。
当然のごとく冬馬はクラスの男子からボコボコにされる。しかも今回は『デリカシーなさすぎ!』『女の子の敵!』とか言われて女子からも……。
正直オーバーキルのような気もするが、可哀想だけど自業自得なので助けることはしなかった。
そして、いつものようにオレに咲夜さんからメッセージが届く。
『どう?霧ヶ谷君ビックリした?』
咲夜さん……遊んでますね?このメッセージを見ているだけでニヤけてしまう。これは咲夜さんなりの作戦なんだろうか。
『冬馬がしつこくてキレたのかと思ったよ……ビックリした』
とりあえず返事をしておいた。するとすぐに返事が来る。
『ごめんごめん。2人だけの秘密。騎士の誓いは違えてはダメでしょ?』
……ヤバい。心臓が爆発しそうだ。顔が熱くなるのを感じる。本当にオレは咲夜さんが好きだなぁ。何でこんなに可愛いんだ!オレはこの関係が壊れないように大事にしていきたいと思うのだった。
『面白い!』
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