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お姉さん×下着



 「えっと、俺は外で待ってればいいすかね?」


 お姉さんはランジェリーショップに入ろうとするので、俺は足を止めた。

 さすがに、こういったお店に入る勇気はない。

 見るからに店内に男性いないし。

 

 「何を言ってるの?私の下着くらい選んでよ」


 お姉さんは、ニマニマ笑いながらそんなことを言った。

 あれは、確実に俺をからかってる顔だ。

 

 「いやでも、男の目線があったら選びずらいですよね?」


 どうにか店に入らない理由を考える。


 「お金出すのは君なんだから、君には選ぶ権利があるわね」


 お姉さんは、何としても俺を伴ってランジェリーショップに入店したいらしい。

 それなら、適当に選んですぐに店を出るか……。


 「わかりましたよ……」


 そう思って、しぶしぶ了承することにした。

 店内には、すべてのニーズに答えます、とでも言うように布地面積の多いものから高一の俺には使い方の想像のつかない大事な部分が隠せていない下着まで、各種揃えられていた。


 「これなんかどう?」


 お姉さんが、黒いフリルの付いた下着を手に取って体に当てた。

 着ているわけでもないのに、スタイルのいいお姉さんの体に合わせただけ身につけたような錯覚に陥る。

 はっきり言って目の毒だ。


 「いいんじゃないですか?」


 目線をさ迷わせつつ適当に答えると


 「ちゃんと見てよ〜」


 と、お姉さんは距離を縮める。


 「これなんかもいいかも」


 お姉さんは、止まらない。

 近くにあった適当な、下着を手に取ると自分の体に合わせた。


 「ちょ〜っと、際どいかなぁ……君はどう思う?」


 お姉さんが、強引に視線の前に割り込んで来る。

 って……ハイレグっ!?

 かなり攻めたの着るなぁ……。

 

 「何てもの見せるんですかっ」


 もうこのお姉さんに弄ばれてるのでは?という気しかしない。


 「恥じるような体つきはしてないけど?」

 「いや、そういうんじゃなくてですね……なんというか……」


 あぁ、もう考えがまとまらなくてなんて言っていいかも分からない。


 「あぁ、これちょっと楽しいかも」


 ほらやっぱり楽しんでるじゃん……今のは聞き逃さなかったからな?


 「あんまり、ふざけてると買うのやめますよ?」


 スポンサーの権限は絶大だ。


 「あ、はい、ごめんなさい」


 その一言でお姉さんは、シュンとなって真面目に選び始めた。


 「あんまり激しめのやつはやめてくださいね?俺のことも考えてください」


 何か間違いが起きたらたまったもんじゃない。

 まぁ、幽霊と間違いが起きるなんて万が一にも億が一にもないとは思うけど。

 そんなこんなで下着を買うという今回の買い物の難関を突破し、お姉さんの靴や服、生活用品も買い終えて今日のお買い物は終わった。

 正直、ランジェリーショップ以外はヌルゲーだった気がする。

 何も気を使わずに済むからね。





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