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アドバイザーは神の使い

作者: チャンドラ
掲載日:2018/02/23

「ああ、暇だなぁ」

 俺は今、インターネットで適当に気になるサイトにアクセスしている。

 俺の名前は車谷宇美くるまたにうみ

 都内の学校に通う高校一年生である。

 高校に入れば楽しい生活が待っていると無邪気に信じていた。

 しかし、俺を待っていたのは、中学時代と変わらないぼっちの高校生活だった。

 入学すると、すでにグループが出来上がっており、部活にも入らず、昼休みは屋上へ行き一人で昼ごはんを食べる始末である。

 クラスメートは誰も俺に話しかけてこない。

 かといって俺も自分から話しかける勇気がない。

 そんなわけで中学時代と変わらずぼっち生活を送っている。

 せめて何か部活でも入ればいいのかもしれないが、特にやりたい部活もない。 

 我ながら情けないが仮にやったとしてもすぐに辞めてしまいそうな気がする。

 俺はクズだ。


 何かをしたいと思っているのに最初の一歩を踏み出すことができない。

 リスクばかりに目がいく。

 何かを成し遂げるのに、リスクを背負わないなんてことはありえないだろう。

 だが、リスクを背負うのが怖い。

 失敗が怖い。

 俺は現実逃避にネットの世界を巡っている。

「幸せになる方法っと......」

 すると突然、背景の画面が黒くなった。

 なんだこれ?


 ゆっくりと画面に白い文字が浮かんできた。


 ニンゲン......チカラガホシイカ......?

 ホシイナラクリックセヨ......


 なんだこれ怖い。

 ウイルスにでもかかっただろうか。

 俺は強制シャットダウンするために、電源ボタンを長押しした。

 しかし、反応がない。

 俺は次にマウスを何度かクリックしてみた。

 すると、俺の真横に青いオーラをまとった少女が現れた。

「はじめまして、クリックしてくれましたね」

「うわ!」

 その少女は透き通ったように白い肌と青い髪型と青い瞳、そして青いオーラを纏っていた。

 服装は白い半袖と黒いミニスカートを着用していた。

 この世の物とは思えない神秘的な美しさだった。

 突然の出現に俺はとても驚いた。


「驚かせてしまって申し訳ありません。私の名前はルデアス・ベルカ。どうかルデアとお呼びください」

 礼儀正しく少女は挨拶をした。

「はぁ......どうも、車谷宇美です。それであなたは何者なんですか?」

「私は簡単に言えば神の使い。あなた様の助けを呼ぶ声を神様が聞き、あなた様のところに伺うようにと言われました」

「それは......なんというか。いまいち信じられませんが」


 急に神の使いだとか言われてもな。

 まぁ、突然俺の横に立っていたのだから普通ではないことは明白だが。

「必ずやあなた様の役にたつでしょう。宇美様。悩みを聞かせていただけませんか」

「え、えーと。なんというか......」

 俺は高校で一人寂しく高校生活を過ごしており、毎日がつまらないということをルデアに伝えた。

 ルデアはふむふむとうなづきながら話を聞いてくれた。

「分かりました。明日、私も学校に行きましょう。私の存在はあなた様以外認識することができません」

「そうなのか。ルデアは俺以外に視えてないんだな」

「ええ。今日からここで暮らします。私は食事を取る必要ありませんし、この押入れで過ごさせていただきます」

 ビシ! と押入れの方を指差した。

「ドラえもんみたいだな......」


 次の日、俺とルデアは学校に向かった。

 いつも通り、俺は自分の席に座り、授業を受けた。

 今日の授業を終え、帰り支度しているとルデアはトントンと俺の方を叩いてきた。

「隣のクラスに行きましょう」

 小さい声で返事をした。

「いいから早く」

 有無を言わせない様子だった。

 俺はルデアの指示通り隣のクラスに移動した。

 隣のクラスは一年B組である。

「あそこに本を読んでいる生徒がいるでしょう。あの本はあなたの大好きな神々のあそびという本です。うわー、君その本、好きなんだ! 奇遇だね! っていう感じに話しかけてください」

「お前、なんで俺の好きな本の題名を」

「神の使いだからです!」

 ドヤ顔で言ってきた。

「そうかよ。てか、いきなり女子生徒に話しかけれるなんて無理だ」

「絶対に仲良くなれます! 行きなさい! 成功すると私が保証しますから!」

 ものすごい勢いでルデアが勧めてきた。

「わ、わーたよ! 行けばいいんだろ!」

 俺はしぶしぶ本を読んでいる女子生徒の方へ向かった。

「すみません!」

 すると、その生徒は俺の方を向いた。

 遠くからでよく顔はわからんかったが、黒いサラサラとした長髪でメガネをかけており整った顔立ちでなかなか美人だった。

「僕、読書が好きで。何の本を読んでいるんですか?」

「あ、えーとこれは神々のあそびっていうライトノベルで。とっても面白いラノベなんです!」

「それ! 俺も読んでる! 面白いよね」

 そこから話が弾み、俺はLINEを交換することができた。

 高校に入って女性とLINEを交換でたのはこれが初めてである。

 彼女の名前は五十嵐千尋いがらしちひろというらしい。


 家に帰り、俺は喜びの声をあげた。

「やったー! ルデアありがとう!」

「いえいえ、気にしないでください」

 満足そうにルデアが微笑んだ。


 次の日、またもやルデアは女子生徒に話しかけるように言われた。

 今度は一年C組の生徒だった。

 茶発で胸が大きめな生徒だった。

 千尋みたいな隠れ美人と違って、普通に男性ウケしそうなルックスである。

「あれはレベル高くないか?」

「いや、いけますよ。彼女はアニメ、フェイントの大ファンです。あなたも観たことがあるでしょう。そのことを話題に出すのです!」

 いや、でも、そのなんか不自然な話しかけ方にならないか。

 俺は無策のまま、彼女に接近した。

「す、すみません!」

「はい?」

 彼女は可愛らしk首を傾げた。

「僕! アニメ、フェイントの大ファンで。なんとなく、あなたも好きそうだなーって! あなたもフェイントのファンじゃないですか? なんだかそんな気がします」

 我ながらひどい話しかけ方である。

「ええ、そうです! 私、九嶋有紗くしまありさって言います。フェイントは全話視聴して、フィギアもたくさん持ってます。これ、フィギアの写真です!」

 有紗はスマホを取り出し、フィギアの写真を見せてきた。

「おー! すごいですね。たくさんフィギア持ってるんですね」

「はい! ヒロインのテレス、健気でとてもかわいいですよね!」

「そうですね!」

 俺と有紗の会話は弾んだ。

 そして、昨日に続いて、俺はLINEを交換することができた。


 家に帰り俺は喜びに耽った。

「やったー! ありがとう、ルデア」

「きにするな。それよりもい二人とはまめにLINEをやりとりして直接、学校で会話をしろよ」

「うん!」


 それから俺の生活はとても楽しいものとなった。

 昼は千尋と神のあそび以外にもお互いの好きなラノベの話をした。


 放課後は有栖と色々なアニメの話をした。

 休日の土曜日には千尋と二人で一緒にカラオケに行ってきた。

 ルデアはどんな歌を歌えばいいか、アドバイスをくれた。

 その次の土曜日には有栖と一緒にアニメショップ巡りに赴いた。

 ルデアはどう振舞えばいいか教えてくれた。


 

 どっちもデートとは言い難いが着実に仲は仲良くなっている。

 ルデアのアドバイスは必ず良い方向に転ぶ。

 だが、突然、こんなことが起こった。


「宇美くん! 私と付き合ってください!」

 昼休み、突然、千尋に告白された。

 千尋は顔を真っ赤にしている。

 突然の告白に俺は戸惑ってしまい、すぐに答えを出せなかった。

「嬉しい。ちょっと考えさせてもらっていい?」

「うん、もちろん」


 しかし、放課後にも事件がおこる。

「宇美、私と付き合ってほしんだけど」

 有栖からも告白された。

 有栖はいつもとは違い、真剣な表情で見つめてきた。

 千尋の告白と同じく、すぐに答えを出せなかった。

「ちょっと、考えさせてください」


 俺は家に戻り考えた。

 どうすればいいんだ。

 どっちと付き合うか選べってことか。

 自分の人生にこんなことが訪れるなんて思いもしなかった。

「ルデア、俺はどうすればいんだ?」

 俺はいつも通り、ルデアにアドバイスを貰おうとした。

「それはお前が考えろ」

「そんなぁ!」

 すると、ルデアが抑揚のない声で苦言を呈してきた。

「俺ができるのはここまでだ。充実した高校生活、最終的に自分で決断し、手に入れる必要がある。後はお前次第だ。俺は神様の元へと戻る。短い間だったがさらばだ」

「はぁ? ちょっと!」

 呼び止める間も無く、ルデアは消えてしまった。

「どうしたらいいんだろう......」

 俺は途方に暮れてしまった。

 俺は決断力が欠けている。

 俺は一晩中、どうしたらいいか考えた。

 そして、俺は二人の告白に対してどう答えるか、答えは固めることができた。

 

 そして、いなくなったルデアにお礼をポツリと述べた。

「二人に巡り合わせてくれてありがとう、ルデア」

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