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夢が……覚めない?

「どこかに可愛い子~♪いないかなー♪」


やめろ悠人、変な歌を作るな。やばい先輩が来たって周りの1年生

引いてるじゃねえか……


「なにしてるのお兄さん?」


これまたベタな展開。声の先には神谷理沙、

入学式を終えた2個下の俺の妹がいた。


「いや、悠人が可愛い子探しに行くって聞かないからちょっとこっちにな……」


「ふーん、別にいいけど。同い年に相手にされないからって年下に手ださないでね?」


理沙、頼むからそんなジト目で睨まないでくれ……

決して俺が悪いわけじゃないんだー!

年下に手を出さないでと俺は言われつつ結局、

この1ヶ月後に凛乃花と付き合うんだけどな、、

付き合うって報告した時も、


『年下とは付き合わないでって言ったのに……しかも、よりによってあの神童先輩とか、、お兄さんとは全然釣り合ってないんだから!』


とかなんとかいってたっけな?あの頃はまだ

あいつもまだ可愛げがあったんだけどなぁ〜

今じゃあ、


「私はこうして、いつも食べたいものを我慢して頑張ってるのに、

お兄さんはどんどんりりかちゃんを甘やかして…」


まあ、俺に対する愚痴ってより凛乃花に対しての方なんだけどな。でもたまにはご飯も食べに行くみたいだし、なんやかんや仲良くやっているようだ。


「お前の前にいる可愛い子、妹か?」


いや、今更かよ!どうやらさっきまで近くを

ウロウロしていて俺が話しているのに気づかなかったらしい。


「妹の神谷理沙です。いつも兄がお世話になっています。」


そういえば理沙、外面は良かったっけ?

いつもあんなにいい妹がいて幸せね、とか礼儀があって可愛いとか最強かよ、とかそんなことばっかり言われてた気がする。


「おい、お前の妹。礼儀があって可愛いとか最強すぎるぞ……」


ボソボソとつぶやく悠人、どうやら俺の記憶にある奴は悠人発信の言葉のようだ。


キーンコーンカーンコーン〜!


「おい悠人、予鈴だ。教室戻るぞ!なんか付き合わせて悪かったな。じゃあな理沙」


「うん……悠人さんもまた、、」


それだけ言うと理沙は教室の中に戻っていった。


働くってのもいいけどやっぱり高校の時は青春って感じで楽しかったなぁ。これまでの出来事の中で青春を感じたかと言われれば謎

だがなんだかこの感じが懐かしくそして新鮮だった。


「もう〜、悠人に航平〜どこ行ってたのよー?」


目の前でほっぺを膨らませている女子、桜宮栞は3年間俺とクラスが同じだったクラスメイトだ。こいつ、この時はまだ黒髪清楚って

感じだったのに、今のこいつと比べるとなぁ。

うん、髪色ってすごく大事。てか相変わらずすげえ再現率高い夢だなぁ。


全然覚めないけど……



「いや、今日弁当忘れたから学食行って

悠人と一緒に新入生見に行ってたんだよ」


「そしたらこいつ、早速ナンパしてたんだぜ」


「えっ?そうなの?真面目な顔して航平。案外やるね〜♪」


「おい、変な誤解が生むようなこと言うなって、あれは妹だから!!」


「あー、そういえば妹がうちの高校入るって行ってた

もんねぇ……」


「てか、航平!弁当あるじゃん。そんな嘘ついてまで妹見に行きたかったのか〜?(ニヤッ)このシスコンめ〜」


「あれ?ほんとだ。机の中に弁当ある……」


確かにそうだ、思い出してみれば入学式の日、俺は2年の凛乃花と会うことはなかった。なぜなら俺は弁当を持ってきてたから。すなわち学食に行ってないってことだ。ん?これは夢だろ?

頭がごちゃごちゃしてきた……


「もう〜航平ったら〜。おっちょこちょいなんだから〜」


「キモいぞ悠人。誰の真似だが知らんがやめとけ!」


一体これがなんなのかわからないが、久しぶりの高校だ。それにいつも一緒に過ごした2人との再会だ。楽しむことにしよう。


「ほら、席につけ〜授業中始めるぞ〜!」


3人で話していると日本史の近藤先生が来たようだ。夢とは言え、3年ぶりの授業だ。


……

「これによって〜1914年に起きたのが……」


久しぶりの授業だとはりきっていたのに、なんだこの眠気は?だんだん、意識が遠のいていくような……?






………………


「こうちゃーん、いつまで寝てるのー?休みの日だからっていい加減起きないとほっぺにチューするぞ〜」


ん?俺さっきまで日本史の授業を、、あれ?

目の前には凛乃花か。え?凛乃花?


「あーあ、起きちゃった。キスしようと思ったのに〜」


どうやら、いややっぱりと言うべきか、あれは夢だったらしい。目の前には凛乃花が残念そうな顔で膨れていた。


「んー!!おはよ凛乃花。なんだか懐かしい夢を見たよ」


「夢〜?へへ〜私の夢は早くお嫁さんになることなのだー」


「まずは痩せてウエディングドレス着られるように

ならなきゃな〜」


笑いながら言う俺をもう〜見てろ〜と言いながらバシバシ叩く

凛乃花、ガチで痛いって。言わないけど、、


「私のこといっつも馬鹿にするけど〜、初めて私を見かけた時は

ガン見してたよね〜」


俺のことを馬鹿にしてるようで何か嬉しそうな彼女。そういえば初めてっていつだったけ?


「初めて見かけた時っていつの話だ?」


「もう〜覚えてないのー?私が告白する1ヶ月前だから確か入学式の時だったと思うよ〜ほら、学食で会ったよねー?その時に私も

こうちゃんに一目惚れしたんだ〜♡」


いや待て、学食?いやあの日は弁当を俺は持ってきていた。それを夢の中では忘れて学食に....


それに今一目惚れって?凛乃花が前に一目惚れしたって言ってたのは確かテニスをしている姿を見てだったはず……


「凛乃花、俺のこと初めて見かけたのはテニスコートじゃなかったか?」


「確かにテニスコートにもこうちゃん見に行ってたけど〜

初めては学食だよ?」


やっぱり何かがおかしい……2人の出会いに何かズレが生じているような、、?やっぱりあの夢は夢じゃなくて俺が、ほんとで高校生に戻ったってことか?いや、そんなことが、、


「もう〜なんでさっきから怖い顔してるの〜?

せっかくの休みなんだし、なんかしようよ〜!

ゲームとか、映画鑑賞とか、料理の試食会とか〜」


全部家の中でできることじゃないか!外で デートしたい〜とかないの?しかもなんだよ、最後の料理の試食会って、、


これ以上、考えてたところで答えが見つかりそうでもない。それにもし仮に俺の夢と繋がってるのならまた今夜何かわかるかもしれない。


でも今はこれ以上難しい顔をして凛乃花に心配かけるのもなんだし、思いっきり休むか!


「よーし、ならまずは筋トレだ〜!」


「せ、せっかくの休みなのに運動〜?こ、こうちゃんの鬼〜!」


「いい加減、体動かせ〜!デブになっちゃうぞー」


「ふーんだ!私はデブじゃありませーん。至って普通なのです」


「どこが普通だよ〜高校の時と比べてみろ!」


「あの時は異常だったのです。食べることへの喜びを感じた今、

私は〜」


「はいはい、わかったから。筋トレは無しにして映画でも見ようか」


やっぱり俺は凛乃花には甘くなってしまう。

いっそのこと過去に戻れるなら凛乃花をニートじゃなくちゃんと働かせるってのもアリだな。


まあ、でも過去に戻ったって確証があるわけでもないし、今回のことは俺の勘違いってことかな……?


「ほらー、映画始まるからこっちこっち〜」


「はいはい、今行くから待てって」


こうして、今日も俺たちは2人で過ごして行く。


そしてあっという間に時間が経ち、

また夜がやってくるのだった……


次回は明日16時投稿です。

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