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高校ヤンキー列伝 ダブルデート編 後編

作者: ケンタウロス

前作の後編になっております

私達の高校時代

ヤンキーと呼ばれた

リーゼント野郎が

街のあちこちで散見されたものでした

不良と言われて

嫌わた彼らにも

甘酸っぱい青春が

あったのです

さて

次の日曜日

駅で待ち合わせ

いたしました

私 彼女 のりかず 彩美


の面々


動物園へは

バスにて5分少々


歩く事も

充分可能です



歩いていこうか?

(彩美さんの声)



え~

歩くん?

(面倒くさい私)



あかんやん

歩いて

二人に手繋がすねんよ

(案外真剣に考えてる彼女)



そうか~

じゃ お前ら歩いたら?

俺 そこのサテンでコーヒー・・・


バシッ


私の彼女

怖いんです


すぐ手を出すんです



痛いやんか~

叩かんといてや~



アホな事 言うとらんと

歩き~さ



はいはい

歩かせていただきますよ



仕方なく歩き出す私


おい

のりかず

ちょっとこっち来い


ええか

二人で歩きながら

自然に手繋げよ

わかったな



わかったけど

きっかけが・・・



アホ

俺らが前を

手繋いで

歩いたるから

自然な感じで

お前らも繋げ




わかった

頑張るわ~


のりかず君と彩美さんの前を

仲良く手を繋いで歩く私達



後ろが気になります


とっても気になりますが

しょっちゅう

振り返るわけにも

まいりません



おい

後ろの二人

どない?

手繋いでる?



ちょっと待って

自然に振り返ってみるから



さも

彩美さんに

用事があるような

感じで

振り返って

話しかける彼女



彩美~

今日は何時くらいまで大丈夫なん?



うん

今日はちょっとくらい遅くなってもいいよ




おい

どうやった?

のりかず

ちゃんと手繋いでた?



あかんわ~

なんか

手ブラブラさせて

めっちゃ変

困ってる感じやったわ



え~

見たい見たい

めっちゃ見たい



振り返って

何でもいいから

話しかけ~さ



おい

のりかず

今日はええ天気やな


ププッ



笑ったら

あかんやん


だいたい

ええ天気って

他に話す事ないん?



け け けどな

のりかずの手

あっちやったり

こっちやったり

上やったり

下やったり


タコみたいやねん


めっちゃ笑かすよな

ププッ




のりかず君って

女の子と付き合うた事ないん?

結構イケメンやけど



ないねんないねん

あいつな

ドーテーやねんで

ドーテー

ププッ

おもろいやろ

ええ顔してるくせして

ドーテー

ププッ


あ ちなみに

俺も

女の子と付き合うの

お前が初めてなんやで




嘘言わんとき

初めて女の子と付き合うのに

最初からキスする人

知らんわ~




それは

もののはずみやんか



ケンちゃん

あんた

はずみでキスしたんか

しばいたろか



ごめんごめん

怒ったら

かわいい顔が

余計かわいくなるやん



ほんまに

その口のどこが

初めてやねん


とにかく

後ろの二人は

私にまかせて




くるりと振り返って

のりかず君と

彩美さんに

向かって



あんたらな

チンタラしとらんと

手くらい繋ぎ~さ


のりかず君

あんた何してんの

彩美が待ってるやん




え? いや

私・・・待ってないし・・・



ええから

二人とも

私らみたいに

手繋ぎ~さ

せっかくのダブルデートやねんから

アツアツのダブルカップルやないとあかんやん



慌てて

彩美さんの手を取る

のりかず君



なんかすげ~な

あいつら

手繋いだやん

朋ちゃん

すげ~

(ちなみに私の彼女 朋子でございます)



こんなんはね

きっかけやん

何かきっかけあればいいねんよ



そっか~

俺もきっかけ欲しかったな~



何言うてんの

最初のデートから

ホテル行こって

きっかけも何もなかったやん



え~

ホテル行こなんて

言うてへんやん


疲れたから

どっかで休憩しよ

って言うただけやで




アホ

ベッドのあるとこで

休憩しよ

って言うたやん




などと

二人で騒いでる間に

動物園に

到着です


後ろからは

黙って

手を繋いだ

陰気なカップル

付いてきております



まずどこ行く?

猛獣エリア?

(のりかず君の声)



毎日猛獣見てるから

今日はいいかな

(ちょっとイヤミな朋ちゃん)




そうや

確か中央の池に

ボートあったやん

ボート乗ろか

(動物には興味ない私)



あ ボート乗りたい

(彩美さん)



よ よっしゃ

ボ ボートやて

ケンタ 行こ

(何故かちょっと動揺したのりかず君)


私の腕を取って

足早に中央池に向かいつつ

耳打ちをする

のりかず君



ケンタ

俺な

ボート漕いだ事ないねん

ここって

ペダル式の

ボートある?




なかった思うわ~

普通に漕ぐボートだけやったな~




どどどうしよ

よう漕がんがな



アホ

あんなもん

めっちゃ簡単やがな

任せんかい

俺が先に

朋ちゃんと乗るからな

後ついて

俺の真似したらええねん

平気やて



うううん

頼むわ~




なんやかんやで

中央池に着きまして

眺めましたら

やはり

手漕ぎのボートばかりでございます



気持ちよい晴天

日曜日の

ボート乗り場


カップルや

親子連れで

賑わい

いい雰囲気でございます




のりかず

あっちの奥のな


木陰の方

あそこまで漕いで行ったらな

キスできるで

頑張れよ


けどな

ボートの上で

エッチはあかんで

危ないからな


子供できるから

危ないんと違うで

ひっくり返るから

危ないんやで




え~ ケンタ

初めてのデートで

キスなんか

無理やて




アホか

手繋いだら次はキスやろ

キスくらい済ませて

俺のもの

って ツバつけとかんと取られるで

俺が取るで




あ~

朋ちゃんに言うたろ




頼むから言わんといてな

(朋ちゃんに対しては弱気な私)


などと

わいわい騒ぎながら

ボート乗り場にて

お金

払いまして


私と彼女

乗り込みます


すぐに櫂を取りまして

桟橋から少し離れ

のりかず君御一行様

お待ち申し上げております



のりかず君

ボートに乗りまして

彩美さんを

エスコート

いたします


無事二人とも

ボートに乗ったところで

のりかず君

見よう見まねで

櫂を操り

漕ぎ出す



はずなんですが



なんと

どのような

複雑な漕ぎ方を

いたしたのか


ボート

自分の正面に向かって

動き始めております



私が慌てて


お~い

のりかず~

どっちに漕い・・・


と 言うと同時に


貸しボートのおじさん



兄ちゃん

オールを

押したらあかんで

引くねん

ええか

手を前に突き出した時にな

オール 水に入れて

そうそう

そこで力入れてな


引くねん


うまいがな

そうやそうや

(上手に教えるボート屋の親父)


とにかく

無事 二艘とも

漕ぎ出しまして


私と彼女

当然ですが

人目に触れにくい

木陰に

漕ぎ進み


あんな事や

こんな事

いたしておりましたら


なにやら

あちらの方が

騒がしい


もちろん

彼女といちゃいちゃ

いたしておりまして


私の

あちらの方も


かなり

騒がしくはなりつつ

あったわけですが



そちらとは別の

あちらの方から


お~い

ケンタよ~

こっち来てくれ~


と呼ぶ声

聞こえます


なんやねん

人が楽しく

ボート遊びしとんのに



と ブツブツ

言いながら


ボート漕いで


声の方に向かいましたら



のりかず君達のボート


どうやら

他のカップルの

ボートと

接触して

揉めている様子




どないしてん

のりかず

文句たれとるのは

どこのガキやねん

オールで

叩き殺したらんかい

え~から

殺せ

俺が許す

(大声で怒鳴る不良の私)



近寄りましたら

彩美さん

泣きそうな顔を

しております



のりかず~

お前

なめられとったら

あかんで

殺せ殺せ

沈めてもうたら

わからへんで

(無茶苦茶な私)



相手のカップル

まさか

ヤンキー丸出しの

仲間がいたとは

思わなかったようで


ビビって

固まっております




だから

こんな

アイビーファッション

いややったんや

なめられっぱなしや

(腹立たし気なのりかず君)



彩美

大丈夫やから

ケンちゃん

めっちゃ強いから

安心してええよ

(朋子の優しい声かけ)



俺かて

強いんやで

今は

弱そうな格好してるけど・・・

(悔しそうなのりかず君)




おい

お前

女連れとるからって

いきがらんとけ

俺も

こんなとこで

喧嘩したないねん


我慢できんかったらな

日改めて来い

街でな

病院送りのケンタ

言うて聞いたら

ヤンキーやったら

みんな知っとるわい


今日のとこは

勘弁しといたる


もう帰れ

この動物園から

消えろ

わかったか お~



うんうんと

必死に頷いて

漕ぎ帰るカップル




ケンちゃん

あんた

病院送り

なんて呼ばれてたん?

(嫌そうな彼女の声)




いや

今思い付いてん

カッコええやろ

のりかずよ

これから

俺の事

病院送りのケンタ

って呼んでな




アホ

くだらん事

言わんといて

しまいに

ケンちゃんが

病院送られるやん

(半泣きになりならが私の頭を叩く彼女)



痛い痛い

危ないて

ボート

ひっくり返るて

あかんて

勘弁して~な

ごめんて~

叩かんといて~

許してや~

もう言わんから

約束約束

(狭いボート内を彼女の振り回すバッグから逃げ惑う私)



そんな私達を見て

彩美さん

泣き笑いを

しておりました




さて

のりかず君

ボート屋の親父から



兄ちゃん

うまなったやないか

彼女にええとこ見せれたか?



などと

からかわれつつ


ボートを降りまして


みんなで

ちょっと落ち着こうと

喫茶コーナーへと

向かいます




冷たい物

飲みながら





あのね・・・

聞いていい?


のりかず君って

本当は不良なん?

(思い切って聞く彩美さん)




・・・あのな

彩美ちゃん

俺等な

そりゃ

勉強とかきらいやし

喧嘩もするし

単車も乗るで


みんなは

不良って呼びよるわ

けどな

そんな悪いわけと

違うねん

普通の高校生やねん

食い逃げとかは

せ~へんし

な のりかず


不良とか

そんな悲惨なもんと

違うよ

弱い者いじめとかも

せ~へんで

(私の意味不な説明)




彩美

ケンちゃんな

こんなやけど

めっちゃ優しいねんで

女の子には

絶対

手とか上げへんし

喧嘩ばっかりするからめっちゃ心配やけど・・・

のりかず君だって

優しいやん

(また半ベソの彼女)




うん

わかった

のりかず君

優しいし

ケンタ君も

面白い


のりかず君

いつもは

そんな格好してへんのやね

どんな格好?

見てみたいな

(やっぱり半ベソの彩美ちゃん)




うん

次はいつもの格好してくる

って・・・

ケンタと似たような感じやけど




俺ほどカッコよくはないけどな

のりかずは土台が悪いねん

ブ男やからな


だいたいな

彩美ちゃん

のりかずな

単車乗るくせに

チャリンコ

よう乗らんねんで~


めっちゃ変やろ


こいつな

ほんまに

アホやねん

足かてな

めっちゃ臭いんやで



足臭いんは

ケンタの方やんか



俺の足は

マカデミアナッツの香りやんけ

な 朋ちゃん



成績は

ケンタより

俺の方がましやで



やかましい

能ある鷹は爪を隠してんねん







初夏の風が

木々の間を

吹き渡る

喫茶コーナーの

オープンテラス


いつまでも

バカ騒ぎをする

男二人



女の子は

二人とも

半ベソをかきながら

笑っていました



時刻は

もう昼下がり



みんな

この季が

永遠に続くと

信じていた

そんな季節でした



耳ピアス君 反撃編に

続く



次回作


耳ピアス君 反撃編

に続きます

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