【第五話】ヴァンパイアのお食事①
「ただいま〜」
「おかえりなさい・・・・・・・・どちらさま?」
「何言ってんの?娘の顔、忘れたんですか?」
「うちの娘はそんなに美人ではありません。」
バタンっっ!!!
・・・・・・・締め出されてしまった。
「どうなってんの?」
「前にも言いましたよね?“ヴァンパイアらしくなった”と。今のあなたは、とてもお美しいですよ。」
なんか、よくわかんないんですけど。私がお美しい?まさか、そんなわけないじゃん(笑)おりょ?ズボンにお肉が乗ってない?そう言えば体軽くないか?
「・・・・・・どうしよう。」
「どうされました?」
「ヴァンパイアになってベッロ様に会えないどころか。帰る家までなくしてしまった(泣)」
「私がずっと傍におりますよ。」
「・・・・グス・・・ありがと・・・」
私が泣き止むまで、スレイヤーはずっと頭を撫でてくれていた。とりあえず落ち着いた私は、スレイヤーと再びメメールに会いに行き話を聞いてもらったのだ。
すると、メメールは「別宅があるから」と血のお礼に家をプレゼントしてくれたのである。
その家は魔女の別宅と言うだけあって紫色の屋根をしていた。小さな小さな家で部屋は1つしかなかった。
「素敵な家を、ありがとう!」
お礼を言ってメメールとは別れた。
私達は新しい我が家に入り、とても疲れていた私は黒猫になったスレイヤーを抱いて眠ったのである。
②へつづく




