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【第四話】メメール・へクセ②

「早く起きてください。」



「・・・・・・・」



「起きろ! (ゴン)」



「ほげっっ!・・・・・ここはどこ?私はだぁれ?」



「ふざけないでください。」



「なんか頭がボーっとする。はっ! そうだ! 私は人間になれたの?」



「残念ですが、その逆です。」  



「逆ぅ?」 



「ダンピールは一度死んでしまうと完全なヴァンパイアへと変化してしまいます。その証拠に今のあなたの姿は、とてもヴァンパイアらしいですよ・・・・・・ほら」






スレイヤーはそう言って私に鏡を差し出してきた恐る恐る覗いてみる。






あぁ? 私が映ってない?







「何も映ってないよ?」



「そりゃそうでしょう。あなたはヴァンパイアに生まれ変わったのですから。」



「てか、私死んだの?」



「はい。メメール・へクセの欲のためにあなたは殺されました。」



「メメール・へクセ?」



「デコール・へクセの本当の名前です。」





そして、スレイヤーは今までのことを丁寧に話してくれた。





「メメール・へクセめ・・・・・・許すまじ。あっ!私がヴァンパイアになってしまったらベッロ様に会いに行けないじゃない!あー もぅ、終わりだー」



「まだわかりませんよ。ヴァンパイア志願者かもしれませんしね。」 



「いいよそんな慰め・・・・・それより大丈夫なの?」



「何がですか?」



「私を助けたりして、メメール・へクセに怒られたりしないの?」



「心配入りません。私はあの方のもとに戻る気はありませんから。」



「なんで?」



「あの方の性格の悪さにはほとほと愛想が尽きました。これからは、あなたに仕えさせていただきます。アグリー様どうぞあなたのしもべに。」



「そんなこと勝手に決められても困るよ〜。だいたい、何で私なのよ?」



「あなたの血の味が気に入りました。それに、猫じゃらしで遊んでいる時の楽しそうなあなたは、とても可愛らしかったですし。」






・・・・・え?・・・・・可愛い?






「いやいや騙されんぞ!正直に猫じゃらしで遊んでほしいって言えばいいのに。素直じゃないんだから。」



「じゃあ、そういうことにしておきます(クス)」



「それよりさ。メメール・へクセに会いたいんだけど、ここからどうやって行けばいいの?」



「何をしに行かれるのですか?」



「話をしに!」



「話・・・・・ですか?」



「うん。一度は友達になったわけだから、話せばまた友達になれるかもしれないじゃない?」



「・・・・・あなたのお人好しさにはびっくりします。ですが、あなたのそういうところは嫌いではありませんよ。いいでしょう。メメール・へクセの元まで案内します。」





こうして私とスレイヤーは、メメール・へクセのところに向かって出発したのである。 





③へつづく






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