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6話 友人同士の対面

もしかすると本日2話目の投稿が遅れる、もしくはなくなるおそれがあります。なくなる際はその分来週に投稿するのでよろしくお願いします。

 夕食はいつも7時ごろから食べるのだが約束の時間が近いので早めに済ませておく。

 食べ終わるとジャスト7時だったのですぐさまDWOにログインする。噴水近くに現れるともうすでにリサとリュウはすでにログインしていた。


「おぉ、リキト来たか」


「ジャスト7時ね。時間ぴったりなのはいつも通りね」


「ああ、約束を破る気は無いしな。じゃあ早速行くか」



ポーン



『ランカからメッセージが届いています』


ランカからメッセージか。何だろう。


「ちょっと待ってもらえるか?フレンドからメッセージが届いたから確認しとく」


「別にいいぞ、夜はまだまだこれからだしな」


「私も大丈夫よ。特に急ぐ用事は無いわ」


「ありがとう、すぐに確認するから」


 フレンドチャットを開くと、ランカからパーティーを組まないかという誘いのメッセージが届いていた。

 今は時間があるし別に組んでもいいんだがリサとリュウがいいかな?初対面の奴とパーティーを組むのは不安かもしれない。


「なあ、もう一人メンバーが増えても大丈夫か?さっきのメッセージがパーティの誘いだったからよかったら一緒に組もうと思ってるんだが」


「私はいいわよ。戦力が多いほうが初めての相手は安定するだろうし、私はよっぽどの相手じゃない限り合わせる自身があるわ」


「俺も構わんが誰なんだ?」


「それはそいつが来たら紹介するよ。悪い奴ではないから大丈夫だ」


 2人から許可ももらったのでランカに友人が居ていいなら噴水の前に来るように伝える。送ってすぐに大丈夫なので来るとメッセージが届いた。


「来るみたいだからもう少し待ってくれ。そんなに時間はかからないと思う」


「どんな人かしら?リキトの知り合いだから、悪い人ではないと思うけど…」


「女子か!?」


「残念ながら男だ。それもイケメンだな」


 2、3分待っているとランカが走ってきた。初めて会ったときのように白い歯がキラリと光る。


「よぉ、待たせてすまなかったな」


「別に大丈夫だ。紹介するよ、友人のリサとリュウだ」


「よろしく、私がリサよ。3属性のメイジをやってるわ」


「へぇー、3属性か。なかなか多いな普通は1つか2つなんだが…。きつくないか?」


「熟練度を上げるのが難しいけど、使いこなせたら便利よ」


 普通は属性は1つか2つしか取らないのか。それを考えるとリサもなかなか変わったプレイをしてるんだな。枠が一つ空くだけで大きく変わってくるだろうに。


「よろしく、俺はリュウだ。片手剣を使ってる」


「片手剣って事はお前もβテスターか」


「一応な、βテストの時はたいした情報を得られなかったけどな」


「こっちも似たようなもんさ、それほどすごい情報は持ってない。せいぜいモンスターの行動パターンぐらいだ。それも少数だし」


 なんだ、ランカもβテスターだったのか。βテスターに当たった人なんて100人程度だって聞いていたし、今このゲームに参加している人は1万人どころではない。それでもすでに2人も身近に居るし、もしかしたらシオンもβテスターかもしれない。割と俺の近くにβテスターが多いな。


「で、こっちが俺の初めてのフレンドのランカだ」


「「ランカ!?」」


「何事っ!?」


 ランカの名前を聞いて2人が大きな声を上げ、思わず身を引いてしまう。正直びびったがランカは平気そうに苦笑いをしている。


「リキト!あんた、いつの間にこんな人と知り合ったのよ!?」


「い、いや別にゲームに初めてログインしてからお前らに会う前だけど…」


「一応聞いておくが、お前はこの人がどういう人か知ってるのか?」


 ?、ランカはランカじゃないのか?

 フレンド名にもランカって書いてあるから偽名って事ではないんだが。………分からん。


「ランカ、どういうことだ。こいつらはお前の知り合いなのか?」


ランカは苦笑いをして返事をしてくれない。


「リキト、この人の事はたぶんあんたより私たちのほうがよく知ってるわ」


「この人はネットで有名な上位ランカーだ。現時点でDWOでトップかもしれないといわれている人だ」


「トップ!?ランカ、お前ってそんなにすごい人だったのか」


「俺自身としては言いすぎだと思うんだけどな。ランカーを目指してランカって名前にしたのかとか聞かれるけど、本名をもじっただけなんだよな」


 それは、リサやリュウが驚くはずだ。予想外の有名人だった。後でサインでも貰っておこうかな…


「まあ、いいや。さっさとパーティーくんで行こうぜ」


「まあいいやってお前・・・」


「はぁ、リキトのおかげで少し頭が冷えたわ」


 俺、何かおかしいことでも言ったかな?こいつらの反応の意味が全然分からん。


――――――――――――――――――――――


 フィールドに出る前の門でランカが俺に聞いてきた。


「そういえば俺らは何を倒すんだ?ウサギなら2人ぐらいの方がいいと思うんだが」


「ウサギならな」


「今回倒すのはゴブリンよ」


「ゴブリンか・・・。俺に驚いてたみたいだけど、ゴブリンを倒せるならお前らも結構上位のプレイヤーじゃないか」


「残念ながら俺とリサは倒すどころか戦ったことすらない。倒したことあるのはリキトだけだ、それもソロで」


「ソロ!?お前も大概だな。でも、そういうことならリキトは俺と同じくらいのレベルか?」


「いいや、まだ1なんだ」


「いち!?」


 うん、ここで驚かれるのは予想してた。自分でも適正レベルを聞いたときは驚いたしな。


「俺が初めてソロで倒したレベルが7なんだが。お前、どうやったんだよ」


「普通にとしか言い様がないんだが」


「ランカさん、だめよ。こいつはランカさんよりおかしいから」


 トップランカーのプレイヤーよりおかしいとか、まるで人を人外のように・・・ゴブリンは動きが単調だから慣れればあんなの誰でもできると思うんだけど。


「大丈夫だ、もう諦めたよ。聞いてなかったけどリサとリュウのレベルは?ちなみに俺のレベルは今8だ」


「俺が3でリサが4だな」


「で、俺が1と」


「「「お前のは聞いてない(わ)」」」


 ひでぇ・・・。みんなレベル上げに集中しすぎなんだよ。敵と長いあいだ戦うと精神力がガリガリと削られるから辛いんだよ。ウサギ相手だともっと楽なんだろうか?


「そうだ!リキト、一つ頼みがあるんだがいいか」


「内容によっては断るぞ」


「最初の1回はお前1人で戦ってくれよ。どんな戦い方をしているか見てみたい」


「断る」


 なんでパーティーを組んでるのに1人で戦うなんてめんどくさいことをするんだ。こんなこと考えるのはランカくらいだぞ。


「あ、それいいな。俺も気になる」


「私も気になるわね」


 ランカくらいだったらいいなぁ。3対1だと本人が反対してもその抵抗力は薄いもので・・・


「3対1で決定だな。最初だけだしよろしく頼むよ」


 ほらな、こうなることは分かってたんだ。しかしこのまま言うことを聞くのも気にさわるな。何かいい手は・・・


「そうだ!こちらから一つ条件がある、ランカも一回一人で戦うんだ。それでいいなら俺もやってやる」


「いいぜ、じゃあ早速よろしく」


「へ?」


 話すのをやめて前を向くとこちらに背中を向けて歩くゴブリンが1匹いた。

読了ありがとうございます。

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