手に入れたもの
嫌なことがたくさんあった。
根も葉もない悪口を言われて、自分の中で何かが崩れ落ちた気がしたんだ。
僕は、父さんが死んだときから涙を流さないって決めた。
だけど、そんなものどうでもよくなって・・・・・・僕は泣いた。
それも、みんなの前でだよ?
どれだけ試合に負けて、コーチに怒られてみんなが泣いていても泣かなかった僕。
逆に笑って、みんなを励ましていた。
昔の教訓を生かして、自分じゃなくてみんなが幸せになってほしいって思ったんだ。
だけどさ、今回は何かが壊れちゃったんだ。
父さんごめんね?約束を、守れなくって____
崩れ落ちたものは、簡単に戻らなくって・・・・・・
涙と弱音しか僕からは出てこなくて。
だけど、気づいたんだ。
僕は・・・・・・
_____「仲間がいる」って・・・・・・
あの人たちにどれだけ嫌われていてもいい。
どれだけ悪口を言われてもいい。
僕には僕を信じて救ってくれる『仲間』がいるんだ。
他人への嫌悪でしかつながっていないあの人たちより、僕は幸せだ。
だって、仲間がいることと僕に試練を与えてくれたんだ。
父さん。僕は、最高の仲間と世界を手に入れていたんだ。
僕は、仲間と自分を信じて生きていくよ。
父さんと約束した二つ目の約束。
諦めて、投げ出そうとしていた約束。
____「笑って父さんの分まで生きる」・・・・・・
絶対に、守ってみせるから。
見てて、父さん______