#5 『ユメ』
(はぁ・・・はぁ・・・・!!)
走る、
(はぁ・・・・・っ!!)
走る、
(はぁはぁ・・・糞っ!!!)
少年は、走り続ける。
(俺に、ついてくんじゃねぇっっ!!!!)
得体の知れない者から、
(はっ・・・はぁ・・!!)
逃げる、
(だから、ついて来るなっっっっ!!!!!!)
逃げる。
(!!しまっ・・)
大木の木の根に、少年の足が、引っかかる。
(・・・・・・・・・・)
無言で少年を見下ろす、何か。
(はぁ・・はぁ・・・・はぁ・・・!!!!!)
少年の鼓動が、速くなる。
ニュルッ
何処からか、大量の触手が、少年の身体に巻きつく。
(ぐっ!!・・ぅぁっ!!!)
少年の、喉に、胸に、足に、
(うっ!!ぅあっ!!!)
巻きつく。
其の時、
(・・・・・・・・けて、・・・・て・・・・)
(えっ!?)
(た・・・・・て、・・・・・・・くれぇ・・・)
得体の知れない者が、小声で呟く。
(!!っもしかして、貴方・・・)
名を云おうとした瞬間、
「起きろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっっっ!!!!!!!!!」
「ぅわぁっっ!!!?」
父親である文和に、大声で起こされた少年---源川。
「行き成り大声で、俺を起こすなっ!!!(怒」
「何だよ、人が折角親切に起こしてやったのによっ!!」
『お早う』の挨拶も無しに朝から喧嘩をする。其れが、源川家。
「まっ取り敢えず、学校に行く準備でもしろ」
「何で?」
「何でってなぁ・・・(汗」
キョトンとした顔の源川を見て、文和は一つ溜め息をつくと軽く淡々と話した。
「今日、お前学校だろっ」
源川にとっては、とても重要な事を。
「・・・・其れを早く云えぇっ!!!!!!」
源川は箪笥に有った新品の制服と教科書の入ったリュックを持ち、慌しく階段を下りて行った。
そんな息子の姿を見て文和は、
「・・・・・・もうそろそろかな、自分の力に気づくのっ♪」
静かに呟いた。其の時の文和の表情は、欲しかった物を貰えて喜ぶ小さな子供の様な表情だった。
バタンッ
玄関のドアを勢いつけて閉めると、源川は目の前に続く桜並木の道を走って行った。
「あああっっっ!!!転校初日に遅刻なんて本当ねーだろっっっ!!!!!」
云っても意味の無い事を源川は云うと、猛スピードで走って行った。
『ユメ』の事も忘れ、
少年は、
走る、
走る、
まさか、今走っている場所が、『ユメ』で走った場所とは、知らずに。
少年は、学校へ向かった。
二十日ぶりの更新ですっ!!桜藍です♪
いやぁ~、昨日は期末テスト最終日でしたので、大変でしたねぇww(言い分けです。はい。)
こんな亀より遅い更新ですが、チマチマと続けていくので!!皆様、どうぞ宜しく♪誤字等有りましたら、お願いします!!