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革命

2026年秋。ついにもやし1袋の価格が30万円を超えた。

メガバンクも、ネット銀行もこぞって「もやしローン」の取り扱いを開始した。

ネットニュースでも、「もやし」の文字をみない日はない毎日が続いている。



あの日ーー。


2026年の初夏、恐ろしいニュースが流れ日本を震撼させた。


アフリカから神戸に帰国した日本人が発熱後、1ヶ月で亡くなった。


致死率20%を超える感染症であることが判明した。感染症はMYSと名付けられた。


MYSの感染者数はじわじわと増え、100人を超えた。関西から東北に飛び火し、国民の不安は増大していった。


特効薬はまだない。


8月。


もっとも病に効能がある…と、政府関係者から、発表された食品。それが、もやしだった。


スーパーからもやしが消えた。


1袋50円程度のもやしは1週間で10,000円になり、9月初旬には100,000円を超えてしまった。ダンボール単位で購入する人も少なくない。各地でもやしを狙った凶悪犯罪が勃発するようになった。



岐阜県。


もやし工場を営む家庭に生まれ育ったミナトは、父のヤマトを手伝っていた。

地元の高校に通う17歳だ。


ヤマト「早くしろ。もやしを地下室に移動させるんだ。」

ミナト「わかったよ。でもどうして。」

ヤマト「ニュースを見ただろう。ここは狙われる」

ミナト「狙われる?」

ヤマト「もやしを大量に持つものは、狩られる。恐ろしい世の中になったもんだ」


大量のもやしを抱え、地下室に運び込む父子。


幼なじみのアヤカが血相を変えて走ってきた。


「ミナト! もやし、もやし…ある!?」


ミナト「アヤカ、、どうしたの?」


アヤカ「お母さんが、お母さんがね…」


ヤマト「…! まさか…МYSに…?」


アヤカ「わからない…でも、様子がおかしくて…もやしを食べさせたくて…」


ミナト「え、、そんな、、父さん!!」


ヤマト「……」


アヤカ「お願いいたします! お金はあります!

もやしを、譲ってもらえないでしょうか!」


ヤマト「……」


ミナト「…父さん!! アヤカにもやしを分けてあげて!」


ヤマト「……ダメだ」


アヤカ「そんな…!ひどい!どうして…!?」


ミナト「父さん! アヤカ困ってるんだよ…?どうして譲ってあげないの!?こんなにあるのに…!」


ヤマト「……」


ミナト「父さん!!」


ヤマト「二人とも、地下に来なさい。」


そう言うとヤマトは、ミナトとアヤカを一目を忍ぶように地下室にかくまった。


広大なもやし工場の地下には溢れるほどのもやしが保管されていた。


アヤカ「こんなに…!」


おもむろに地下室の扉を閉じると、ヤマトはミナトと、涙ぐむアヤカの頭をぽんとたたきながら、静かに口を開いた。


ヤマト「いいか、2人とも。ここで聞いたことは誰にもいってはいけない。約束できるか」


ミナト「…?なんだよ、急に…」


アヤカ「約束します…!約束しますから…!」


ヤマトは、よし…と一言間を置き、静かに話し始めた。


(第一話 : 完)








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