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国篇

◇統一王朝アイン

 全ての国家の起源となる、人類史上唯一の完全統一国家。起源暦の数千年にわたり繁栄を極め、言語、文化、通貨を一つに統合していた。しかし、「あまりにも高度に発達しすぎた思想」が「個の自由」と「全体の統治」という二つの矛盾する極致を生み出し、その内紛が現在の帝国と連合、そして世界中に点在する数多の国家へと分裂するきっかけとなった。現代の戦場に残る「共通規格」の多くは、この王朝時代の遺産である。



◇レガリア帝国

 惑星の陸地の約五割を支配下に置く、絶対君主制の超大国。皇帝を頂点とした厳格な階級社会であり、軍事力こそが正義であるという「力による秩序」を信奉する。広大な国土から得られる資源と、圧倒的な物量を背景とした『騎甲殻きこうかく』の保有数は世界最大を誇る。近年は主戦派の勢力が強く、中立国への干渉や連合への挑発を激化させている。



◇フロンティア連合

 帝国の拡張主義に対抗するために結成された、民主主義国家群による連合体。世界の約四割を占める。


・アルヴァラント共和国:連合の政治的中心。古い歴史を持ち、外交と経済を司る。


・クロムウェル工業国:連合の兵器開発と生産の要。帝国製に劣らぬ高性能な騎甲殻を量産する技術力を持つ。


・エルドラ国:豊かな資源と肥沃な大地を持つ資源国家。連合の兵源と食糧供給を支える。これら三か国が互いの欠点を補い合うことで帝国と拮抗しているが、内情は一枚岩ではなく、常に政治的な駆け引きが絶えない。



◇中立国アマガハラ

 かつて太平洋上に存在した、島国形式の中立国家。どの陣営にも属さず、独自の平和哲学の下で高度な科学技術を育んでいた。特に「リアクター機関」の次世代型研究や、高度な演算システムにおいては世界最高峰に位置し、その中立性は世界の均衡を保つ「最後の良心」とさえ呼ばれていた。しかし、その突出した技術を危険視した帝国により、帝国歴4999年、戦略核兵器の投下を受け消滅。その悲劇は、世界に「対話の終焉」を突きつけることとなった。

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