6. 鎖でたわ
受付でミーアに軽くあしらわれまず武器からやろうと地下に降りて行く。
地下に降りると、小学校の運動場半分位の広さで、土の地面が見えた。
そこに二メートル近くありそうな身長で筋肉ムキムキの見た感じ四十歳位のイカつい顔したスキンヘッドが仁王立ちして居た。
「おう、お前なんだ」
その男が声を掛けて来たので
「おう、お前こそなんだ」
取り敢えずファーストコンタクトは、カマしてマウントポジションに持っていく
何と戦っているのか、良くわからない男だが
「すごいなお前。まぁ良い俺はここリパの冒険者ギルドマスターのランスだ」
何! 聞いて無いぞトップやんけ。
素早く低姿勢に切り替える
「これはこれは、ギルドマスター様でしたか。自分今日から冒険者活動始めた、ハレオ言います、よろしゅうお願いします」
「突然卑屈になったな。その歳で新人君だったのか納入業者かと思ったがまぁ良い。それで、どうしたんだ?」
「実はですねー、自分の内にある眠られし力を解放する為に、武器の練習でもと思いましてやって来た次第でごぜーます」
「武器の練習……普通十代前半から、武器を持ち魔物狩りに行き、扱いを覚えながら過ごすんだが……
まぁ良い、何か使った事がある武器はあるか? 」
「そうですねぇ、若い時分に鉄の棒みたいなのは振り回した事ありますよ! 」
まさかの武器を聞かれて野球で使う金属バットの事を答える。若かりし頃、野球をした事があったのだ。
「棒か棍棒だな、そこの壁に立て掛けられてるのが金属製の武器に似せた木の武器だな、重さも金属と変わらないはずだ。
基本的に殆どの武器は、有るはずだからどれか選べ」
使ってたのは、棍棒みたいな凶悪な武器では決して無い。野球だ、ベースボールだわ。
「へぇーいっぱいあるんすねー」
壁の方見ると、ナイフ、ロングソード、ショートソード、大剣、槍、弓、斧、メイス、棍棒、杖、ハルバード、が立て掛けてある、まぁゲームに良く出てきそうな感じの武器達やな。
それならと手に取ったのがロングソード、使った事も無いが、なんかカッコいいからや
「よし、振ってみろ」
よしと、振り上げて全力で斬り落としてみるが、勢い止められず剣先を地面に打ち付ける。
「おっも。重すぎやろこれ! 勢い止まらんわ! 」
「ん? 貸してみろ」
振り上げて下すと、ビュン! と鋭い音がして胸の辺りでピタッと止まる
「普通の重さだな」
え? メチャ重いねんけど? 大っきいペットボトル二本分位の重さやねんけど?
全力で振り下ろさなければそりゃ振ろうと思えば振れるよ何回かなら。けど何十回となると無理やし全力で振り下ろしたら絶対止められんやろ。
マジか……このギルマス軽々振っとるねんけど?
「参考までに聞きたいんですが、全部コレ位の重さなんですか? 」
「そうだな斧とかならまだ重いが、まぁこんなもんだろ重さは」
絶望。マジで筋トレとか、せなあかんの?
なんかアニメとかやと、召喚とか転移とかして来て剣授かって、ビュンビュン振ってるやん!
あれか? 魔法的な何かか?
はぁ、どないせーゆーねん。
「そっすか。ちょと今の自分じゃ振れなさそうなんで。出直してきます」
すぐに諦める、ダメ男参上
「そうか、まぁ頑張れ」
「あ、そうだ魔法の練習もここですか? 」
「魔法は上で要領覚えて、ここで実戦練習だな。的もあるぞ」
「そっすか、んじゃ内なる魔力を上で解放して、また練習しに来ます」
「内なる魔力ってお前……まぁ良いか行ってこい」
すごすごと階段を登り、受付のデカを横目で流し見して二階への階段を昇り図書室の前に到着した。
「こんちゃーす、ここなら魔法の深淵を覗けるって聞いてやってきました、Gランクやってる、ハレオでーす、よろぴくー」
軽い挨拶で魔法の真髄まで見ようとするGランクの男がここに居た。
挨拶を済ますと、三十歳前後のローブを羽織った怪しい雰囲気の男が椅子に座ってた
「やぁ、いらっしゃい。このギルドで魔法関係を受け持っている、フライだ。よろしく」
「よろしくー、なんだか空も飛べそうですねー」
「あぁ、名前ね。フフフ。飛べる魔法もあるにはあるよ」
「そりゃー教えを乞いたいですなぁー」
「まぁ、そのうちね。今日は何だい?
Gランクって事は、初級の魔法かな? 」
「それそれ、水の魔石? 多分オンボロ宿屋だから壊れてたと思うんやけど、触っても水出なかったんだよね、俺の身体には、はち切れんばかりの魔力が流れてるはずなんやけど、どーにか水くらい出されへんかなと思って門を叩いた次第ですます」
「なるほどね、基本的に誰でも使えるはずの水の魔石が使えないと
「はい、この水の魔石触ってみて」
「おっしゃー! やったるでぇー! うおおお! 」
「出ないね? 相性悪いのかな? 」
「うーん、じゃこれ、風の魔石触ってみて。」
「うおおお! 集え魔力! 吹き荒れろ俺の魔力! 」
「やっぱ出ないね。うーん、なんだろう?
魔力意識してみて? 心臓の近くで渦巻く感覚で」
あ、お腹付近ぐるぐるやなかったんすね。
心臓かぁ、うーん、うーん、おお! なんかあったかいぞ! まさか、長年の不摂生による心筋梗塞の前兆とかや無いやろな!
「あ、なんか暖かいっす」
「それそれ。んじゃもう一回触ってみて」
「うおおお! 吹き荒れろ風、全てを集めて敵を蹂躙しろ! 」
「うーん、出ないね。なんだろねー」
「えーなんすか? ノー魔法な感じですか? 」
「うーん、暖かく感じたんだよね? 」
「イエス、イエス」
「じゃあ、一応は魔力あるはずなんだけど、見ない症状だね」
「王都とか行けばもっと詳しい人居るんだけど、行く予定とか無い? 」
「金無いっす」
「Gランクだもんねー。じゃあ他の魔法でアプローチしてみようか」
「なんでもやったりますわぁ! 」
「じゃ、大まかな種類教えるね。」
フライに聞くと魔法とは
火魔法
水魔法
風魔法
土魔法
光魔法
闇魔法
コレが基本の魔法で後は
無魔法
召喚魔法
空間魔法
精霊魔法
従属魔法
まだ、あるみたいだが確認が取れて無いから、わからないらしい。
「こんな感じかな」
「へぇー」
なるほど、話しが長くてウトウトしていたが
なんか……夢ある魔法いっぱいあるやーん!
ファンタジー最高ゥ!
「じゃあ、この部屋にある本なら、どの魔法でも触り位は書いてるから、自分で調べてみてね」
「はぁーい」
読書タイム突入である。
読書していて思ったのが、基本読める、なんやろか? 文字が違うっぽいけど、なんか読める。
ほんで、魔法はイメージが大切です。ってこちとらこの世界より娯楽にあふれた世界からきとるねん想像力モンスターを舐めてもらっちゃ困るぜ
俺の時代が来たな……文字が読めるって事は、初心者パックってやつやろコレ!
あれやろ? 言語と、何でも入るボックスと、現地の金やろ? 知っとるわ。あれ? まだ現金もろーて無いわ。
まぁ、空間魔法があるんやから、アイテムボックスは初心者パックに付いてるんちゃうの?
ヤレヤレ……これでポッケの銀貨とも、おさらばやな。
試してみよっと。
「えーと、心臓の辺りでグルグルまわしながら黒い空間に物が一杯入る様なイメージで、いでよ! アイテムボックス! 」
「……」
「オラッ!出て来いや黒っぽい箱ゥ!」
「……」
でーへんやん。なんなん? 酷くね? 手ぶらで歩けるおもーたのに、あかんやん。 初心者パック仕事しろ!
まぁええわ。こんな事になるんちゃうか、おもーてたし、なんかこっちに飛ばされる時も、じい様が出て来て、ふぉーっふぉーっふぉ。ワシじゃよ、ワシ、神じゃよ。
ワシの愛し子よ、世界を渡るのに、この初心者パックを授けよう、がんばれよー。
とか、されてへんしあかんパターンなんやろな。萎えるぜ!
基本属性は、手から放出?
と言うか自分の魔力を外側に出し、事象に干渉するっぽいから多分出来へんやろな。
さっきから出そうとしてるのに、うんともすんともせーへん。で、空間魔法も、あかん。
精霊魔法はチャンスありそうやけど、まず精霊が見えへん。そんな謎生物、ホンマ近所におるんか? 謎すぎてウケる。
召喚魔法も良くあるパターンなら、地面にお絵かきして、そこに自分の魔力流してエサにして、釣られて出て来た生物と契約みたいな流れやでなー。
ととと、召喚魔法、召喚魔法と。
これや、ふむふむ、やっぱり魔法陣描いて出す感じやな。
いや……これもムリやん! 俺身体から魔力放出しませんねん! 魔石にすら魔力使えまへんねん! 放出、放出、ムカつくわぁ。
まぁええわ。ほんで、無魔法ね。
なになに、まずイメージが大切です。ってさっきもみたわ、作者誰やねん、おんなじ事しか言えんのか。
内側から溢れる魔力を形にしましょう。うーん。うーん。
もっと簡単にコンビニで、バーコード決済する位、手軽な方法無いんかよ。
はぁ、まぁこの魔法位しかやれそうなチャンスないでなぁ……
内側、内側。内面、内面。あ! トイレ小みたいな感じかな?
「うおおお、出ろや! おしっこみたいな水ゥ! 」
いや、あかん、水は出ーへんのやったわ。
お下品な事叫んだから、フライ、パイセンこっちみとるがな。すんまへんなぁ。
物質ならどうかな?
「いでよ! 軽四! 」
あかんか。車でお出掛け出来たら楽かなーと思ったけどあかんな。
「いでよ! 包丁! 」
コレもあかんか。自分何やったらできるん?
あかんのー。気分転換の為、窓から外みたら結構な人が通りを歩いてる。
あ!
「いでよ! 鎖! 」
おお! 出たー! 手の平から鎖が出たー! わーい、苦労の甲斐があったわー!
奴隷に繋がれた鎖みて、思いついたんやけど上手くいったわ! 最高!
「フライ、パイセーン、見て見てー魔法ですわ。ドヤ! 」
鎖? なんで鎖が? 魔法ですよね? 商店に行けば売ってるような物が?
「うーん。あぁハレオさん良かったですねぇ。どんな効果があるんでしょうね」
「へへへ。良いっしょ鎖っすよ鎖、触りますぅ? 触っちゃいますぅ? 」
「う、嬉しそうですね。では失礼して」
「あれ。触れませんね? うーん。
魔法、実態の無い鎖、けど見える」
え? ホンマや、触ろうとしてもスカる。
……まっ良いか。取り敢えずファンタジーっぽいし。なんとかなるやろ。
つーかこれが普通の魔法使えない俺の生命線や、なんとか強力な能力であってほしい! 出来れば攻撃力方面でお願いしまーす。
防御は、もう有るんでーす。
「ですね、まぁ何も無いと思ってたので出たから幸運ですわぁ。何も無いよりマシですわぁ」
「んじゃそろそろ飯代も、稼ぎに行かなあかんので、ウサギ相手に人体実験、もとい、ウサギ実験してきますわ! 」
「フライさん……あざーした! 」
「ええ……何はともあれ、良かったですね。行ってらっしゃい」
ドアを出て颯爽と階段降りていく
「鎖なんて出るものですかねぇ。聞いた事無いですねぇ」
受け付け前まで来た時に、手に入れ立ての能力を、ネコに自慢しまくろうと列みたら五人以上並んでて諦めた。
板エルフの列は後一人で終わりそうなのを見て、ダッシュでギルドを後にした。
絡まれたら、かなわんからな。こわー
手に入れたばかりの、鎖が嬉しいのか、ブラブラ出しながら通りを歩く。
かー! これで二個目の能力や。楽しいワイ! 後は、無敵の防御まだ切れてへんかな? 割と不安なんよな。
基本この防御が生命線やのに時間経過で無くなるとか、なんか他の要因で切れるとかやと、メチャしんどくなるんよな。
一瞬、フライに軽く魔法当ててもらおうかとも思ったけど、もし痛かったら嫌やしやめて正解やろ。
魔法とか何それ、こわー
ウサ公に、腕位なら突撃されても死ぬ事ないやろーし、それで試そっと。
おっとナイフ要るとか、ゆーてたな、ナイフ位なら俺でも振れるやろ金足りるかのぉ
通りを、遠くに見える門の方に向かって歩いてると金槌のマークの看板が見えた。わかりやすいの!
ここは普通の扉やの? スイングドアさんや無いみたい。つまらんのぉ。そのドアを開けると
「ちゃーす。おっちゃんーナイフ欲しいんやけど安いのあるー?」
カウンター向こうに小柄な筋肉質の男、この世界筋肉質な男多すぎへん? みんな筋トレマニアかなんかかな? しんどいわぁ。
「おう。みない顔だな。ナイフならほれそこに有るのだぞ」
「おっすおらハレオ、Gランク冒険者なんだぞ! よろしくな! 」
「陽気な男だな。ほれ勝手に見ろ」
「へぇーナイフってこんなんなんやなー
実物なんか見た事も、触った事も無かったわ」
「どうした? どんな用途で使うんだ? 」
「えーと、草原に居る、ウサギ倒す用かな? 」
「なぁ? 一つ聞いて良いか? 」
「なんだい、ドワーフっぽい男よ」
「ドワーフっぽいってドワーフなのだが。まぁ良い、それでなぜ上半身裸なんだ? 」
「実はな……理由は無いんだ。
ただ服は高いらしく手持ちじゃ買えそーに無いので裸なだけだ! 」
「そうか。変わったヤツだな。
それならウサギ用のナイフと上着、銀貨二枚で用意しようか? 」
「おぉ、それ位の値段ならマジ助かる、買った! 」
この鍛冶屋、良い人ランキング二位に入りそうな位ええ人やの。
一位? ジルさんだぞ。はよ金貨返さんとあかんのぉー
「ほれ、ナイフはこれ、服はこれだ。ナイフ用の簡単な鞘も付けといてやったぞ」
「あざーす。おお! 服を着るだけで文明人に
なった気分だな! 」
出された服は奴隷が着てそうな服だった。
無いよりマシかと思う事にした。
「ほんじゃ行くわ。鞘まで、ありがとなーまた来るわー」
「おう、じゃあな! 」
店を出て歩けばすぐそこに門が見えた。




